車の中の人々

郊外のブックオフの駐車場とか、都心のデパートの地下駐車場とか。
停めて、妻と下りて買い物をする。
チラッと見ると隣の車の運転席や助手席に人が乗っている。
今から出るのか、と思うとそうではない。
暇そうにスマホをいじっている。
30分とか2時間して戻ってくるとその人(たち)がまだ車の中にいて、
スマホをいじっている。
 
そんな場面に出会うことが月に一度はある。 
なんだかちょっと怖くて、
それ以上そちらを見ないようにしてすぐ出ていくようにしている。
何かが普通じゃないな、というか。
 
ブックオフの場合、子供や夫ないしは妻が買いに来たか売りに来て、
めんどくさいから車の中で待っているというケースだろう。
それが郊外の大型店舗のドラッグストアであれ、
家族の買うもの、買いたいものは興味を持った方がいいんじゃないかと思う。
あからさまに興味がなくて、というオーラが車の外にも漂ってくる。
人間関係が壊れ始めているんじゃないか、という気がする。
余計なお世話だろうけど。
 
先日、八重洲の地下駐車場に停めたときはぞっとした。
高島屋八重洲の地下街の近く。
停めた隣には大型車が停まっていて、中に少しガラの悪い若者が3人。
それぞれがダラダラとスマホをいじっている。
ほぼ満車で空きを探すのは難しく、
かといって停めてすぐ出ていくのもなんだか彼らを刺激しそうで怖い。
なんだったんだろう、彼らは。
妻には何も言わず買い物に出て、2時間後に戻ってくる。
彼らの車は停まったままで、それとなくチラッと見ると変わらず3人はスマホをいじっている。
この間ずっと? 彼らは何しに来たのだろう。何を待っているのだろう。
 
僕らの車に何かをされたということもなく、気にしないようにして駐車場を出た。
まじまじと見て視線が合っていたらどうなっていただろう……
 
その後気になってコンビニの駐車場の前を通るとき、
たまに車の中にいる人がいることに気づく。
案外多いものなのか。
世の中にはよくわからないものがかなり存在する。