先月の神保町PASSAGEでの一日店長の際に買ったもののひとつが、
『遊歩道 八戸おさむ』さんの棚で買った
『'68 十勝沖地震グラフ《強震の北奥羽-大被害から復旧まで》』
八戸つながりで前から気になっていた棚。
僕らは青森でもミーハーな本が多いのに対し、
八戸おさむさんの棚は硬派というか、
八戸でまとめられ、八戸でしか入手できないような歴史や記録関係が多い。
どんな方だろうと思っていたら、あるときバイトで入った妻が応対した。
年配の紳士であったという。
十勝沖地震のことは名前だけで、よく知らずにいた。
北海道にだけ被害のあった地震だと勝手に思い込んでいた。
下北半島から八戸、その先にかけて大きな被害があったんですね。
恥ずかしながら、知らずにいた。
僕が生まれるたった7年前のことなのに。
写真と、キャプションと。
16人が土砂の下敷きとなり圧死。田畑もウズを巻いて大被害を受けた」
「傾いた家を見捨て、ナベ、カマ、フトンを持って避難する八戸市七崎地区の人」
「むつ市郊外の早掛沼の決壊。土砂にうずまった田を捜してさまよう農民」
船は傾き、線路はひしゃげた。
ありふれた地面に稲妻のような亀裂が走った。
前半は被害の大きさを語り、後半は復旧・復興に向けての足取りを伝える。
少女が花を供える最後の写真だけがカラーとなる。
地震のあったその年に、デーリー東北社から出ている。
僕が購入したものはとても状態がよく、もしかしてレプリカかと思った。
しかしそのようなことはなさそうだ。
八戸おさむさんの自宅で大切に保存されていたのだろう。
当事者からすれば自分の体験した地震こそが最もつらい体験となる。
この地震があったことを忘れてはならないな、覚えておかなければ、と思う。