怪談読書会

昨日の怪談読書会。
18時を過ぎて準備を始める。
入り口に机と椅子を置いて、各席にプリントアウトした資料を配置。
参考になるものとして家から持ってきた本、売り物の本を並べる。
 
19時になって開始。
妻が水出しの、青森の茶葉の店のマスカットティーを出す。
参加者は3名。皆、怪談は苦手ということで助かった。
怖いの何でも来い、蒙古タンメン中本の北極を「辛くないですよ」というような猛者、
今日の話も読んだことのあるという方の参加が僕としては一番、”怖”かった。
 
前半は小泉八雲の「貉」を読む。
例の、「あんたが見たのはこんな顔かい?」の話ですね。
『山怪』なども紹介して、今もこういう体験談ってあるんですよね。
キツネやタヌキ、ムジナが化かすとされていたのは人間との距離感なのだろうか、
犬や猫といった生活の中にいる動物ではなく、
うっそうとした森の茂る山の中で見かける動物だからだろうか、そんな話になる。
 
後半は『新耳袋』から3つの話を読む。
(「貉」は青空文庫にあるのでよかったけど、『新耳袋』は読後回収)
 
第一夜 第六十九話 「地下室」
・「説明のつかないもの、理屈ではわからないもの」の怖さ
・伏せたままのミステリー、謎解き
第二夜 第五十話  「エレベーター」
・「一対多」という怖さ
・都市伝説というもの
第三夜 第四十六話 「あたま」
・「自分に降りかかったら」という怖さ
・なぜ異世界のものは異形の形をとるのか
 
小泉八雲が語りとしての怪談、物語としての怪談だとしたら、
新耳袋』は語りとしての怪談からどんどん物語的なものを排して、出来事としての怖さに向かう。
小泉八雲自身の文学的想像力を読むものだとしたら、
新耳袋』は読む側が想像力を広げる。
 
それまでは和気あいあい、笑いも起きながら話していたのが、
この3話を読み進めるうちにどんどん寒さが増していく。
そういえばこんな体験をした、熱海の古い温泉のエレベーターで…… という話が出たり、
僕もエレベーターと並んでトンネルも多いですよねと思い出した怪談を。
 
その流れで自身の体験を語ることに。
僕はいつもの話。
高校1年生の放課後、自転車に乗って帰る途中、眼鏡をかけた男性とすれ違ったのだが、
15分後またすれ違った。
それだけではなく、2年生になった時の新しい英語の先生が……
驚いたことに、参加者の一人から同じ体験をしたことがある!
ジョギングしていたら追い抜いた人をまた追い抜いて、
着ている服にも特徴があってなんとも薄気味悪い印象だったと。
 
妻が「死んだおじいちゃんがメッセージを送ってくれたんだなと思ったことがあった」と話すと
別な方からも祖母にまつわる話が。
他、イマジナリーフレンドや霊が見える人の話、姿見って夜怖いですよねという話、
ガラスの仮面』の美内すずえが書いた怖い漫画の話、
いろんな話が飛び出して、そうそう! と。
気が付いたら予定の20時半を超えて21時近く。
ぜひまたやりたいですね! となってお開き。
 
妻曰く、僕のボソボソした口調が初めて生かされる時が来た、
怪談に合っていたとのこと。
 
片付けて21時半に店を出た。
環八はさほど混んでいなかった。
オリンピックの新体操をカーナビで聞く。
今週も夜はマック。
家に帰って新体操の続きを見ながら食べる。
そのままブレイキンの男子予選を途中まで見て、
Shigekix が予選リーグ通過するのを見届けた。
Hiro10 と Victor の一戦は歴史に残るな。
あそこまで自分を出し切って、それでも負ける。
勝負に勝って試合に負けるってこういうことか。