中山市朗『怪談狩り』のシリーズ最新作が届いて昨晩読んでいた。
封印していたものを断片的に語り直していた。
その内容については差し控えるが、
もちろん八甲田山とは雪中行軍のことであって。
知らずに訪れた若者たちが……、という。
映画『八甲田山』も壮絶な内容であったし、
新田次郎の原作もそうだった。
小学校の頃の遠足だったと思うが雪中行軍の記念館を訪れたことがある。
奇跡的に生き残った人も凍傷で手の指や足の指を失っている。
その写真が何枚も掲げてあって子供心に相当怖かった。
犠牲になった連隊の兵士が今も行軍しているという怪談話よりも怖かった。
以前何かの番組を見ていたときに田原坂が出てきた。
何千人という単位で戦死者が出た。
そこは今も出るようだ。
妻は行きたくない、通りたくないという。
そういう場所が日本国内、どころか世界各地にあるんじゃないかと思う。
宗教によっては死後、無に還ると教えているかもしれない。
その宗教を信仰している地域では幽霊がいない、ということもあるのか。
宗教に関係なく、恨みつらみがあればこの世に残り続けるものなのか。
『怪談狩り』の最新刊を読んで、そんなことと考えていた。