人は「食べるために働くのか」「働くために食べるのか」

人は「食べるために働くのか」「働くために食べるのか」
僕は断然前者だと思っていた。
当然じゃないですか。でなきゃ何のために働くんですか?
おいしいものを食べるために日々給料を稼ぎ、
おいしいものを一緒に食べるために同僚という存在がある。
毎日毎日コンビニ弁当の中でもさらに中の下のランクのものだけでいいというのなら、
何もこんなあくせく働く必要は無い。


でもどうもこういう考え方は間違っているらしい。
人は、というかサラリーマンは、「働くために食べる」ものであるようだ。
食えれば何でもいいし、安上がりならばなおさらいい。
そもそも食べるということに興味が無い人もいるだろうし、
家のローンと子供の養育費で大変だからという人もいるだろう。
それが普通。いいも悪いもない。
僕みたいなフラフラしたプチ独身貴族とは相容れないものが多々あるが、
つまるところ人生のスタンスの違いってことで全てが片付く。


なので食い物屋がハンパじゃなく多い神保町に常駐している僕は
「あの店のカレー食ってない、ここはもう1度行きたい」
「どこそこのラーメン屋、ちょっと遠いけど行ってみたい」
などなど日々昼メシのことをあれこれ考えながら仕事しているわけであるが
そんな僕はもちろん、集団の中で浮いている。
昼に「何食おうか?」となると決まって僕が
「どこそこのなになに」とか「かつ丼!!」とか主導権を握る。
昼メシだけは明確なヴィジョン有り。


どうも他の人たちは、例えば最初の一週間で
身の回りにある狭い半径のいくつかの店に入ったとしたら
そこから先はそのローテーションに落ち着くもののようだ。
定食屋、中華、居酒屋のランチ、洋食、喫茶店
そして時々、「たまに違うもの食ってみるか」という意見が出て開拓する。
要するに食べ物のことで頭を悩ますつもりなど全くない。
たぶんオフィスの外に出て気分転換できればそれで十分。
「毎日違うとこ行かなきゃもったいないです!!」と鼻息荒い僕は
こういう局面においても変わり者だ。あーあ。


昼メシ時にチームのみんなで外に出る。
僕は毎日毎日違うところ、遠いところに行きたがるのであるが、
さすがに毎日あれこれ言い過ぎるとアレなので
わざと近場で済ませようとしたり1度行ったところに行ってみたり、遠慮している。
大人数だと特に。
なので、日々ここの部分に最もストレスを感じている。仕事よりも。
(「だったら1人で行けばいいじゃん」ともなるが、
 それはそれで場を乱してばかりの人みたいでなんか嫌)


「おいしいものを楽しんでこそ大人」と僕は思うんだけどね。。
その思い込みがいとも簡単に極端な方に触れてしまうのがよくないのか。。
今の僕はどうも強迫観念的に無理やり楽しもうとしている。

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昨日の夜、会社の後輩の子を神保町に呼び出してインド料理屋でカレーを食べた。
人から話を聞いたりネットで調べたりして店を決める。
これまでに行ったことのないとこ。


彼女はもうすぐ産休を取ることになっている。
おなかの子供に影響が出るといけないからと
辛いもの、化学調味料がふんだんに入っているもの、アルコール、
これら全て控えているのだという。
禁欲的とすら言える生活。大変だ。
世の中の妊婦ってそういうものなのか。知らなかった。


でも、妊娠が発覚する前に酒はガブガブ飲んで日々スパイシーなものや
ジャンクフードばかり食べていた人がいたとしたら
急にやめたところで手遅れなのではないだろうか?
「子供をつくろう」と決めたら控えるようにするってのはありだろうけど
それだって計画的に物事進むもんでもないし。
「この1年我慢する」っていう単純なものではない。


あまりにも普段辛いもの食べてないからってことで
カレーを食べに行ったんだけど、辛さは一番下のランクにする。
サモサに、タンドールの窯で焼いたイカとサケ。
おいしいものを食べるっていいよね。
やっぱ、日々探求は必要ですよ。