ニューヨーク その33(6月4日)

okmrtyhk2008-07-01


ホイットニー美術館へ。
この時点ではかなりギブアップ気味。
この後さらにブルックリン美術館行くなんてありえない。
夜のアポロ・シアターもどうしたもんか・・・
せめてホイットニー美術館には行っておこうと思う。
エドワード・ホッパーの作品がたくさんあるってことだし。
せっかくニューヨークまで来たのだから、最終日これだけは這ってでも行かなくては。


またしても?号線で今度は北上。「77St.」へ。この日は?号線で行ったり来たり。
駅を出て1ブロックセントラル・パーク寄りへ。そして南に1ブロック。
昨日も来てるから迷わず到着する。
美術館ではたまたま運良くホイットニー・ビエンナーレってのをやっていた。
2年に1度開催される。1932年からで今回でなんと74回目。
アメリカ各地から選ばれたアーティストは総勢81名。
絵画、写真、彫刻、映像作品、インスタレーションなどなど。↓作品が見れます。
http://whitney.org/www/2008biennial/www/?section=home
アーティスト・リストを見たらスパイク・リーや DJ Olive にリタ・アッカーマンといった名前があった。


美術館そのもののオフィシャルサイト。
http://www.whitney.org/


入場料は18ドル。1階から3階までがビエンナーレ、4階も特別展、5階が常設展だった。


ビエンナーレは1階のスペース丸ごと使った
Jason Rhodes 「The Grand Machine/THEAREOLA」(2002)が圧巻。
http://whitney.org/www/2008biennial/www/?section=artists&page=artist_rhoades
キチガイ博士の工作台みたいなの。あるいは近未来のラジオ局か。天地創造なのかも。
絡まったコード、ティーン向けポップソングのCD(誰のだったか忘れた)、ピンク色のネオン。
「この世界はどんなものなのですか?」って質問があったら、それに答えているように思う。
「これ、すげー!」と唸る。写真を取れなかったのが残念だ。


で、2階と3階ですが。ここから先はたいしたことなし。よくわからんものだらけ。
前の日にチェルシーのギャラリーで見た、
Louise Lawler の白衣を着た象の足の写真がここにも展示されていた。


あと、作者の名前をメモっていたのが Walead Beshty の写真。↓インタビューと作品が見れます。
http://whitney.org/www/2008biennial/www/?section=artists&page=artist_beshty


4階には階段から上がれなかったので、いったん5階へ。
デ・クーニング、モホリ・ナギ、マン・レイジョージア・オキーフジャクソン・ポロックなど。
そしてエドワード・ホッパー。数えただけで7点もあった。
こんなにたくさん見れるとは。
「Queensborough Bridge」(1933)
「New York Interior」(1921)
「Early Sunday Morning」(1930)
「Self-Portrait」(1925-30)
「Seven A.M.」(1948)
「A Woman in the Sun」(1961)
「Second Story Light」(1960)
有名なのは7番目の「Second Story Light」かな。
2階のテラスでくっきりとした白々とした陽光を浴びる母親と娘。
娘はビキニの水着を着て、母親は新聞を読んでいる。ただそれだけ。
なのに。娘の視点の先にある何か、待ち受けている何か、
それとは無関係に与えられる現実の侘しい姿。
ホッパーの他の作品同様、あらゆるものがとてつもなく寂しい。
どれだけ明るい光景を描いても、寂寥感だけが伝わってくる。


ソル・ルイットの晩年の作品「Scribbles」もよかった。
アラベスクのような幾何学的な模様が壁の中心から始まって、
それが端に向かうにつれて混み合っていって、ただの「黒」へと収束する。
これ、描くにはものすごく時間がかかっただろうな。
美術館の壁そのものに描かれていて、もしかしたらここで描いたのかもしれない。
2007年の作品。昨年無くなった。


4階へ。なんとロバート・メイプルソープのポラロイドの写真展を行っていた。
どうも写真集が出たばかりのようで、その関係で。
70年代後半の作品が中心。
風景や静物もあるんだけど、メイプルソープなんでゲイや SM をモチーフにしたものが多い。
もちろん、パティ・スミスを被写体にしたものも何枚かあった。
思いがけず出会えて嬉しい。


地下のミュージアム・ショップへ。
ホイットニー美術館そのもの図録は無かった。
ビエンナーレのはあったんだけど、それは、ま、いいかと思う。
絵葉書を3枚買う。
エドワード・ホッパー、バーバラ・クルーガー、ジョエル・スターンフェルド。
バーバラ・クルーガーは「Thinking of you」
モノクロの写真に、赤地と白の文字をコラージュするっていう作風。日本でもよく見かける。
作品の認知度の割りに知られてないように思う。
↓で作品が見れます。残念ながらホイットニーでは見ることができなかった。
http://www.barbarakruger.com/art.shtml