「色即ぜねれいしょん」

8/21(金)のこと。
怪我の治療のため午後休、あっさりと診療が終わって暇になり、
吉祥寺のバウスシアターに見に行った。


みうらじゅん原作で田口トモロオが監督という「アイデン&ティティ」の黄金コンビの復活。
くるり岸田繁銀杏BOYZ峯田和伸が出てて、
主演の新人、黒猫チェルシーというインディーバンドをやってる渡辺大知が人気とのこと。
http://shikisoku.jp/indexp.html


タワレコがどっかに関係してるのか、
主題歌の「どうしようかな」(村八分のカバー)と
ミネタが劇中何度もギターを抱えて歌う「旅に出てみよう」をカップリングしたシングルが
タワレコで限定発売されていた。
赤と黄色のタワレコタオルも「色即ぜねれいしょん」仕様を発売。
僕はサマソニに持ってった。


1974年。京都の仏教系高校に通ってウダウダと過ごしている高校一年生が主人公。
Bob Dylan が好きでロックに憧れるけど温和で理解力のある良心の元、反抗期も肩透かし。
ヤンキーにもなれず悶々とする毎日。
それが夏休みになって、
隠岐の島はフリーセックスで大変なことになっていると聞きつけた友人たちと3人、
童貞を捨てたいという一心で島に繰り出してユースホステルに泊まる。
そこで出会った人たちとの、甘酸っぱい一夏の出来事。
夏が終わって、秋になって、何かを変えたくなった主人公は学園祭のステージに出演して
弾き語りを披露することになるが・・・


確かに、初めての演技で初めての主演とは思えない渡辺大知の存在感と顔面芸(?)がいい。
トホホな気持ちを表すために思いっきり白目を剥くような。
ついこの間まで高校生だったというリアルさそのままに、体当たりの演技。
峯田和伸は前作の「アイデン&ティティ」を見てて素の演技力を実感してたんだけど、
岸田繁もまた、よかった。ヒッピーの家庭教師役。主人公にロック喫茶を教える。
なんか文系頭でっかちで不器用そうで、ちっとも演技うまそうじゃなかったのに、
いつのまにあんな、大人のダメ男の色香をプンプンと出せるようになったのだろう。
というかね、最初にポスターを見たとき、
白の学生シャツを着てギターケースにもたれて立っている渡辺大知のことを岸田繁に勘違いした。
それぐらい、昔の岸田繁によく似てる。笑い方が、特に。
岸田繁渡辺大知のことを「ボン」と呼ぶ。なんかそれがよかった。


映画そのものは、ゆるい。もっとタイトにできるなあという箇所が多かった。
かといってこのゆるさが独自の存在感を放っているかというとそれほどでもない。
グルーヴになりそうで、ならない。
それでも、「アイデン&ティティ」もそうだけど、なーんかいい印象を受けてしまうんですよね。
ああ、高校生のときって僕もこんなふうにキラキラしていたなあ、ワクワクしていたなあと
そんな過去ありもしないのに、勝手に美化してしまいたくなる。そんな何かがある。
まあ悶々としてたのは一緒だけど。

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予告編で見た「ウルトラミラクルラブストーリー」が気になった。
少し遅れてバウスシアターで上映される。
公開当初はあんまり興味なかったけど、
松山ケンイチ津軽弁丸出しで喋ってるのを見るととても見たくなった。


監督の横浜聡子という人は、青森高校の後輩であるらしい。
でも学年は全然かぶってない。