『特攻野郎Aチーム The Movie』『バブル』

昨日は月イチの有給消化の日。
ゆりかもめに乗ってお台場に行って、メディアージュで映画を見ることにする。
その後大江戸温泉物語、渋谷に移動して HMV へ。
夜は吉祥寺のバウスシアターでレイトショー。
そんな計画を立てる。


『特攻野郎Aチーム The Movie』が昨日、公開初日。
朝イチの回は1300円で見れるということでかなり得した。
客はガラガラ、なのに広い客席。
ホームシアターでくつろいで見てるような感覚になる。
それもあってか、この映画最高に面白かった。
無軌道・無鉄砲な4人のキャラを見てるだけで楽しい。
このメンバーのまま続編がシリーズ化されないかな。
シンドラーのリスト』のリーアム・ニースンがリーダーの”ハンニバル”役で、
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』で一躍脚光を浴びた
ブラッドリー・クーパーが女たらしの”フェイス”、
『第9地区』の鬼才シャルト・コプリーがキチガイ操縦士”マードック”、
”B.A.バラカス”は現役の総合格闘技レスラー。
素人のはずなのに台詞回しがやたらいい。体のこなしも当然いい。
この4人の存在感とやりとりが対等で
絶妙なバランスであっち行ったり、こっち行ったり。
こういう4人組ってたいがい1人か2人スターが出て、
残りは添え物立場になっちゃいがちだけど。
その辺りこの映画は分かってるなあ、一番大事なとこを押さえてるなあと感心した。


オリジナルのドラマは青森でも再放送されていた。
深夜枠で不定期だったような・・・
なので僕も全エピソードを熱心に見たわけではない。
当時のアメリカのアクション系のドラマだったら断然『エアーウルフ』だねえ。
同級生の間では『ナイトライダー』も人気があった。


なお。”フェイス”と昔恋仲で、今は4人を追いかける立場となった”ソーサ”は
2人が最も燃え上がっていたときに聞いたのが Steely Dan だったということで、
携帯に”フェイス”から掛かってきたときの着メロが
Steely Dan「Reelin' In The Years」
これって笑うポイントなんだろうな。
Steely Dan って日本では今でもお洒落なツウの音楽だとしても(あるいは知らない)、
アメリカでは単なる”かっこつけた懐メロ”なのかもしれない。


予告編でもやってた、戦車にパラシュートをつけて落下しながら撃ちまくるシーンが
アクション映画としての白眉だった。やるなあ。


アクアシティとメディアージュはサンリオ祭りみたいなのをやっていて、
例えばシネマ・メディアージュの広いスペースでは
ご当地キティが日本全国勢ぞろいしていた。
青森だと、ホタテ・リンゴ・三味線・ねぶた・大間のマグロ・乙女の像など。
この僕ですらかわいらしいと思う。ほしくなる。
でも、何かにつけて持ち歩くこともないだろうと買うのを我慢する。


お台場小香港の陳麻婆豆腐店で昼を食べる。
DECKSのマッスルパークが夏休みで賑わっていた。
普段の平日だと閑古鳥が鳴いているのに・・・


大江戸温泉物語へ。どこぞの茶髪バカ学生の集団がはしゃぎまくってて、
入館受付の時点で上半身裸になって走り回る者がいて、それを笑いあってたり。
居心地悪かった。露天風呂も彼らがゾロゾロと。
落ち着いて温泉に入る気にもならず、早々に出てくる。
8月の平日に休みをとっても、あんまり意味ないんだな・・・
生ビールを飲みながら高校野球を見る。
東海大相模と成田。注目の一二三投手が投げるのを初めて見た。
おっさんの店員が隣の店の女性の店員とずっとおしゃべりしてて、
ザツに注がれた生ビールもなんだかまずく。あーあ。


ゆりかもめに乗って新橋へ。そのまま銀座線で渋谷へ。
HMV が閉店間際でポイント10倍になってないかなと思ったのだが、そんなことはなく。
ざっと店内を眺めて帰ってくる。


荻窪に戻ってきて、床屋で髪を切る。
眠くなってウツラウツラして、顔を剃っているときにはずっと寝てた。
部屋に帰って1時間ほど過ごした後、吉祥寺へ。


バウスシアターで入場券を買った後、一風堂で白丸。
ちょっとした行列ができて、しばらく並ぶ。
何年か前に食べたときにはおいしいと思ったんだけど、今回は全然ダメ。
そもそもとんこつラーメンを受け付けなくなったのかもしれない。


スティーヴン・ソダーバーグ監督の2005年の幻の作品『バブル』を観る。
何もない郊外の町を舞台に、人形工場で働くどん詰まりなおばさんと若者が出てくる。
若者は緊張病から高校を辞めていて、おばさんは父親の介護に全てを奪われていた。
他にたいした仕事もなく、貧しき日々は貧しき日々のまま、ただただ繰り返される。
そこに若いシングルマザーが現れて、水面下で様々な物事がかき乱されていく。
彼らの関係性も変化する。


低予算のインディペントな作品。(調べてみたらそれでも予算160万ドル)
出演者は素人、しかも彼らの住む家をそのまま使った。
例によって変名を使いまくって、監督・撮影・編集を自らの手で。
調べてみたら脚本は違うようだ。
もしかしたらギター1本だけのインストの音楽も自ら弾いたんじゃないか?
と思ったんだけど、元 Guided By Voices のロバート・ポラードによるものだった。


低予算のインディペントな作品というと、そのちょうど10年前、
トラフィック』『エリン・ブロコビッチ』で再度脚光を浴びる前の
不遇の時期に作られた2作品『グレイズ・アナトミー』『スキゾポリス』を思い出す。
DVD になったとき、今買っとかないとすぐなくなる、見れなくなる、
と両方買っといたんだけど、不遇は不遇、
確かにこりゃ干されるな〜 というシロモノだった。
面白いかというとそれほどでもない。興味深い、というだけ。
『バブル』も同じ匂いがした。
とはいえそもそも DVD 化されない予感がして、
今逃すと2度とお目にかかれないかもと足を運んだんだけど、
見てみたら案外いける作品だった。
トラフィック』以後だったらこれが一番しっくりくるかも。


何気ないちょっとした物事をただあるがままに淡々と描く。
風変わりから、奇妙へ。そして、破綻する。
ああ、こういう撮り方があるのか、
フランスや北欧の監督ならあったかもしれないけど、
アメリカだとこれまでなかったかも、と思った。


先月渋谷のシネマライズでレイトショー公開。
昨日がバウスシアターでの最終日だった。
広い客席に観客はほとんどいなかった。