伊勢神宮・紀伊勝浦ツアー その5

東京から早朝の新幹線に乗ってくるはずだった後輩たちが
雪の影響で名古屋到着が30分遅れ。
僕と一緒に南紀一号に乗るはずが叶わず、次の13:58着となる。
車で移動する後輩たちは高速道路を使うはずが閉鎖されていて
下を走ってくることになり、やはり2時間遅れ。
当初予定では12時に集合で皆でまぐろを食べに行くことになっていたが、
間に合ったのは僕ひとりだけとなった。


紀伊勝浦の駅を出て歩く。
鄙びたアーケードの商店街が懐かしい。
今回目当てとしていた「桂城」へ。
商店街を抜けて港の方のはずれにあった。
先客が2組ほど。まぐろ定食にする。
まぐろ刺身、まぐろカツ、まぐろそぼろ煮(シーチキン風)、
まぐろ鉄板焼き、まぐろつみれ汁、ごはん。
これで1,500円は安い! 安すぎる。
刺身が分厚いのにふんわり、プルンとしていてとろける。
東京だといったいいくらするのか…
鉄板焼きはバターをしいて先にキャベツ、玉ねぎを焼く。
十分温まった頃にサッと両面炙るように。表面の色が変わるぐらいで。
ポン酢をつけて食べる。ジューッていう音がたまらないんですよね。
生ビールも飲んだ。
いや、もう紀伊勝浦はこの店だけでいいんじゃないか。


食べ終えて港を少しブラブラして
駅に戻って明日の名古屋行き直通「南紀6号」の特急券指定席を購入、
その後町の小さな本屋を見つけて帰りに読む文庫を買う。
山際淳司スローカーブを、もう一球』があった。
旅先で読む本としてはベストだ。
この時点で12時半、集合までまだ1時間半あった。
またブラブラと港の方に歩いていくと足湯があった。
何とはなしに入った。ぬるいけど、まあいいか。
この二日間スニーカーも靴下も濡れて足元の冷えていた僕としては大変心地よかった。
あ、そうだと靴下とスニーカーを履いて駅前に引き返し、土産物屋で熊本の酒を買う。
那智の滝」というのが小さなボトルで300円だった。
足湯に入り直してチビチビと飲みつつ、ミステリ短編集を読む。
目の前に広がる穏やかな波が青空を反射している。極楽だ…
(しかし、なかなかうまくいかないもので地元の中学生たちがスケボーを抱えて現れ、
 途中からゴロゴロとうるさかった)


14時になって後輩たちを駅に迎えに行く。
車で来る後輩たちもちょうどそこの頃着いて、合流。
駅前の「山賀」というまぐろの店に入る。
混んでいた。年配の観光客と恐らく地元の人たち。酒を飲んでいる。
6人で入って4・2に分かれる。
壁には西川きよしとヘレン、綾小路きみまろなど芸能人の色紙がたくさん。
コピーしたものを外の壁にも貼り付けていた。
さっきのは朝食だったことにして僕はもう一度食べる。
一番人気というミックス丼にする。1,500円。
マグロ、中おち、中トロ、ネギトロ、アオリイカ
「桂城」のあとだと残念ながら今ひとつ、ふたつ、みっつ。
後輩はくじらベーコンと刺身の定食を頼んだ。


車で来た後輩たちを今回宿泊する「ホテル浦島」の駐車場に案内する。
けっこう離れている。
郊外のイオンばりに広大で、14時半だからまだそれほどだった。
しかし夏休みの夕方ならばこれがびっしりと埋まるのだろう。
駐車場からはマイクロバスが出ていて、すぐ席がいっぱいになって出て行く。
ホテル浦島に宿泊するのかどうかいちいち確認したりはしない。
予約のメールを受け取っていることを示すために僕がついていったんだけど、
そうするまでもなかった。
これ、その気になったら他の宿に泊まってる人も泊められるなあ。


マイクロバスに揺られること5分。
先に港で待っていた後輩たちとともにホテル浦島へと向かうフェリーに乗る。
船の前方がユーモラスな亀の首となっている。
10分するかしないかのうちに到着する。
(なお、近くの「ホテル中の島」は本当の島で、ホテル浦島は半島にある。
 なのに自家用車やバスでは入れないんですね。そこが少し不思議)
遠くを見ると湾を取り囲む大きな岩の間から
人間の背丈ほどもありそうな白い波が轟く。
海の荒れ具合がハンパない。


宿の初老の男性が法被を着て賑やかに太鼓を叩いてお出迎え。
2年ぶりのホテル浦島。フロントでチェックイン。
赤や緑のラインが床に引かれて、山上館や本館はこちらと示しているのが懐かしい。
そういえばたまたまだけどこの前 TUSTAYA DISCAS から届いたのが「The Cove」
ホテル浦島が映っていた。主人公のイルカ解放運動の活動家がここに泊まったんですね。
舞台となった太地町が隣。
だからここ紀伊勝浦でもイルカと並んでクジラ肉が名物としてよく出てくる。