国分寺〜小平〜国立を歩く 後編

15時を過ぎて日差しが傾く。眩しいぐらいになる。
鷹の台は武蔵美に行ったこともあったり何度か来たことがある一方で
恋ヶ窪駅の近くを歩くのは初めてかもしれない。
その近くの小平キャンパスから国立まで斜めに突っ切る坂道は
バイトで毎日のように往復したけど。
雨の日も風の日も自転車だったなあ。
まずは玉川上水沿いに走って、府中街道を南へ。
恋ヶ窪の交差点を曲がってあとはひたすらまっすぐ南西につっきる。
国立駅の手前でガード下をくぐる。
バイトの帰り道に走っていると府中競馬場の花火も見えた。
この日はちょうどよくやってきたバスに乗った。
まず間違いなく、初めてだ。


国立に着いてまずは「おおかみこどもの雨と雪」のロケ地を見に行く。
坂道を登っていくと猫が2匹、1匹は塀の上でもう1匹は自転車の荷台の上で
ひなたぼっこしていた。カメラを向けても逃げようとしないし、
2匹は仲良く縄張り争いもしない。
金網の向こう、谷底のようになって中央線が走る。
水色の橋がかかっていて、絵になる。
僕らもよくここで撮影をした。
金網をよじ登ろうとしたり、雪の降る日に走る中央線を撮ったり。
昔住んでいたアパートを見に行くと
確かこれだろうなあという建物があって名前も外見も違っていた。
たぶん大家が変わったのだろう。


数年ぶりの国立の街はやはりまた大きく様変わりしていた。
骨格はそのままで皮膚を総入れ替えというか。
「いたりあ小僧」も「つり舟」も
「サンモークさえき」(看板の「ないものはない」が有名)もあったし、
バイトしてた「ポポロ」もまだ建物はあったけど
中はもうすっかり知らない店ばかり。
モスバーガーもさらに一段とおしゃれになっていた。
何よりも駅の構造が全く変わっていたことが驚き。改札の位置も違う。
三角屋根がなくなってすっかりモダンな駅舎に。
これは確かに復旧させたいと運動する人も出てくるよなー。


国立キャンパスの東側を見て西側へ、
兼松講堂と時計台とサークル棟とチラ見してからまた西側へ。
体育館が工事中だった。
3・4年生向けの古びた木造の女子寮、
時々ドラマの撮影にも使われるほどの味わい深い建物であったのが、
遂になくなっていた。老朽化著しく取り壊されたか。
裏門をくぐって中和寮へ。
途中、油そば発祥の店「三幸」がまだあった。
(しかし、機会がなくて一度も入ったことがない、
 というかボロボロな外見が怖かった)


中和寮も一橋寮同様、
ドアに認証がかけられていて中に入ることはできなかった。
7・8年前、映画を最後に撮った頃に中和寮の屋上でこっそり撮影をした。
あの頃は普通に誰でも出入りできた。
中和寮も一橋寮も煮しめたような壁の色をしていたけど
今はすっきりクールな色合いに塗り変えられていた。
向かいのもんじゃ焼きの店「もじ蔵」が今も営業している。
だけど髪を切りに行っていた美容室はなくなっていた。


富士見通りを歩く。スタ丼屋にかつての面影は全くない。
ラーメン屋「すずらん」に明かりが灯ってなくて遂に閉店? いや休業日?
国立三小が60周年とのことで小学生たちの書道の作品が
のぼりのように電柱にかけられている。
「一球入魂」とか「日進月歩」などとある中で
「苦労は不幸ではない」「艱難汝を玉にす」なんてのもあって。
自分で選んだのだろうか。なんかシュール。
横に名前も書いてるんだけど、どう読んでいいのかわからないものばかり…


「葉々屋」という紅茶と雑貨の店に入る。
http://www.yoyoya.com/
僕は知らなかったけど、学生時代からあって以前は違う場所だったとか。
手作りのスコーンと小瓶に入ったハチミツがおいしそうだった。
その後、「georges」国立店へ。
http://www.georges.co.jp/store/georges/kunitachi/
こちらはカラフルで遊び心溢れる雑貨屋。
僕が学生だった頃は「con10's」という名前だったように思う。


18時を過ぎて「ロージナ」へ。
http://www.k-fantasista.com/contents/rojina.html
散々歩いて日も暮れて、生ビールがうまい。
イカレー、ほうれん草グラタン、ギリシャサラダを3人でシェアして食べる。
イカレーは激辛とされていて記憶の中では相当な辛さだったけど、
今回食べてみたらそうでもなかった。普通にいけた。
ほうれん草グラタンも懐かしい、ホワイトソースにチーズだけの「味のない味」


もう一軒、富士見通りを歩いていて見かけた「ふさ」という居酒屋へ。
もちろん僕が学生時代の頃にはなかった。できたばっかり?
http://tabelog.com/tokyo/A1325/A132503/13150234/
九州の料理と酒。馬刺しやホタルイカの西京漬けなどを食べた。
客が他にいなくて大丈夫か? と最初思ったけど、悪くなかった。
というか、いい店だと思う。
焼酎のお湯割を何杯も飲んで閉店近くまでいた。
どうやって帰ってきたのか記憶なし。
店を出るところまではかろうじて覚えているが…
次の日の朝、というか今日の朝は二日酔いで午前休…


次は「一松」へとか、国分寺の「おかげさん」がいいとか
あれこれ話しつつ次回もまたやりましょうということになる。
楽しい一日だった。