一松の白菜鍋

一昔前の一橋大学でキャンパスライフを送った
男子学生のソウルフードというと「スタ丼」
僕らの頃は国立と国分寺しかなかったのに
最近は全国展開していて嬉しいような恥ずかしいような。


もうひとつが一橋学園駅「一松」の「白菜鍋」
一橋寮と応援団と学園祭実行委員と一部の体育会だけかもしれないけど。
鍋いっぱいにギュウギュウと詰められた白菜。
まん中にくぼみを作ってコンソメらしき顆粒のダシを入れて
その周りに鶏肉を並べる。
お湯を入れてテーブルの上のカセットコンロで煮る。
冬、身体がとても温まる。
最後はこれにご飯と生卵を入れておじやにする。最高。
一松の鍋の中では最も安い。
他にもすき焼きとかあったはずだけど、一度か二度しか食べたことがない。


前にも書いたと思うけど、探したらレシピがあった。
http://cookpad.com/recipe/678703
バイトしてた人が書いてるので、実際この通りなのだろう。
余りの簡単さ、というかシンプルさに驚いてしまった。
いや、ほんとコンソメだったんですね…
家で作ってみたらあっさりあの頃の味を再現することができた。


僕が現役の大学生だった頃は根強いファンが多くて
キャンパス移転が決まった時には国立にも支店を出していた。
おやじさんが店を見てて、一橋学園の本店はおばさんが残った。
その後しばらくして国立の方の店は閉めたという。
卒業後何回か、寮の同窓会で一橋学園の店を訪れて
その度ごとに白菜鍋を食べた。


先日、結婚パーティーで先輩に聞いたら今はその店も訪れる人がなく、
昔を懐かしむOBが予約したときのみに店を開けるのだとか。
バイトの女子(代々、一橋寮の女性ブロックで担当していた)もいない。
親父さんの体調がよくないのだとか。


なんだか残念だな、というか切ないな。
こんなふうにしてまたひとつ、青春時代を照らしていた灯が消えていく。
時々はこのレシピで白菜鍋を作って食べようと思う。