3・4年の寮のこと

大学1・2年の時に住んでいた4人部屋の寮のことはよく書くが、
3・4年の時の個室の寮についてはこれまでほとんど触れてこなかった。
嫌な思い出があるとかそういうことではなくて、
ただ単にそんな話題にするようなことが特に何もなかったから。
調べてみると今も建物は残っているようだが、
一般学生向けではなく留学生向けになっていた。
土足で誰でも入れたのが今は鍵がないと入れない。このご時世当たり前か。
エアコンやテレビ、インターネットも各部屋に用意されている。
 
忌野清志郎でも有名なたまらん坂を下りたところにあって、
向かいにはえらく品揃えのいいレンタルビデオがあった。
『泳ぐひと』や『アムステルダム・ウェイステッド 』といった
他ではなかなか見かけないものを普通に借りることができた。
いい床屋がなくて、その隣の美容室に通った。
初めて入ったときにはドキドキして、大人の階段を上ったように思った。
さらにその隣がお好み焼きの店で、バイト先の社長によくおごってもらった。
ジョッキを凍らしておいてキンキンに冷えたのを飲むことができた。
 
通りを渡って大学のキャンパスへと向かう途中に
「三幸」という油そば発祥とされる店があった。
とんでもなくぼろい店で結局一度も入らなかった。
近くには同じ名前の定食屋と「スリー・ハッピー」という喫茶店があった。
やはりボロボロで、兄弟がやってると言われていた。
「三幸」を残して、たぶんどちらももうないんだろうな。
 
寮は北棟と南棟に分かれ、一階の渡り廊下でつながっている。
二階は屋外の通路となり、両側に柵が設けられていた。
階段を上って通路に出るドアの手前のスペースに
寮生が不要として勝手に部屋から持ち出したスチール製の机や椅子が積み上げられて、
埃をかぶっていた。
使い勝手のいい自分の机を持ち込みたい人も多かったのだろう。
それまでの住人が出て新しい住人が入ってきたとき、机が必要ならそこから持っていく。
 
4階まであって、さらに階段を上って屋上に出ることもできた。
漫画や映画だと1人いつも屋上にいて煙草を吸いながら過ごしているような人がいるもんだけど、
そういう人はいなかったと思う。
学生時代、あるいは社会人になってからもここで何度か映画の撮影をした。
 
寮なので食堂があった。
バイトのない平日は必ず昼夜と戻ってきてここで食べていたと思う。
食券を事前に買って380円だったかな。
飽きるは飽きるけど、とにかく安かった。
風呂、トイレはもちろん共同。
風呂も入れる時間が決まっていた。24時間ではない。
寮の裏手には大学のグラウンドが。ラグビー部が練習していたのかな。
なので南棟は砂ぼこりがひどかった。
僕は北棟に住んでいた。
 
寮委員・寮委員長はいたけど、
1・2年の寮の時のように目立つ、小さな世界のカリスマになることはなく。
2カ月に1度、2か月分の寮費1万円を寮委員室に払いに行くだけだった。
 
そんなところかな。
取り留めなくなったけど、思い出せることを思い出してみた。
もはやこういう寮は大学になくなったか。
全国的にもそうなんだろうな。