「踊り子」

踊り子は笛の音に誘われて
月の光に照らされて
森の奥 湖のほとり
一人きり目を閉じて 時を忘れて


空に浮かぶ舟が 彼女の観客
銀色と砂色と茜色
言葉は光に包まれて
一瞬の煌きがその声をかき消す


鳥たちの群れが地平線の彼方に消える
辿り着いた宇宙飛行士が荒野に旗を立てる
規則正しい呼吸を繰返す
丘の上から墜落した舟を見下ろす