昨晩、残念な店があるというので行ってみた。
大通りに面した一階で場所は悪くないのに、
商売っ気がなくてお客さんがぜんぜん入らないのだという。
福建省から来た中国人の気のいいおじさんとおばさんがやってる店。
日本で15年和食の店で修行したとのことで
普通の居酒屋をやりたいらしいのだが、
メニューが焼そば、焼きうどん、ナポリタン、ワンタンスープ、明太チーズ、
鶏の唐揚、かぼちゃの天ぷら、山芋の天ぷら、イカの天ぷら、ソーセージ、
かぼちゃの煮物、餃子、ピーナッツ餃子、グリンピース饅頭、小籠包
などととりとめがない。
看板に「家庭料理」とあって、中華ど真ん中は出てこないが、
中国の家庭料理ということで小籠包が出てくる。これがどっちつかず。
和食なら和食で統一して、常連向けのまかない的裏メニューで小籠包がある
としたほうがよほどいいと思う。
あるいは中国家庭料理を前面に打ち出して
中華街のように日夜蒸した蒸し器を店の前に置くか。
そのメニューも壁に貼ってあるのが、たこの刺身やイカの刺身など
オープン当初は提供していたのを途中でやめたのか上から紙を貼ってあったりして。
なんだかみすぼらしい。
見渡すと前の店が残したカラオケスナック的ソファーと
IKEA で買ったような椅子が何の疑問もなく同居している。
店の入り口はきれいにまとまっているが、奥の方のカウンターが雑然としている。
なんかほんと中国の庶民的な店という感じ。
味は悪くない。
小籠包はもちもちと合格点。本来5個なのを2人だったので6個にしてくれた。
ピーナッツ餃子もグリンピース饅頭も初めて知った。初めて食べた。
肉の替わりにピーナッツの入った餃子はほんのり甘い。
ふかしたての饅頭はずんだが入っていてこちらもまた甘さがちょうどいい。
市場で買い付けてきた魚を煮付けたのもあって、
かま焼もあるというからそれにしたら絶妙な塩加減と焼加減で
なんだよ、これを昼のランチにすればいいじゃん!
これで280円というのは安すぎ。
帰り際には明日はメバルが入りますよ、という。
イカの天ぷらが好きなので頼んでみたら
お客さんがいなくてサービスしてくれたのか
春菊などの野菜の天ぷらを追加で乗せてくれた。
皿が山盛りになってそれ以上食べられず。注文できず。
いい人なのはよくわかるけど、嬉しいけど、
そんなことしてたら儲からなくて店がつぶれるよ!
思わず心配になる。
雨にぬれた子犬のような店だった。
次また行ってあげなきゃ…