『TERRAIN VAGUE vol.35 植物−空間−音楽 ポスト・クラシカルをめぐって』

すみません。告知です。


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題名:『TERRAIN VAGUE(テラン・ヴァーグ) vol.35
    植物−空間−音楽 ポスト・クラシカルをめぐって』


日時:2016/06/24(金) 19時から21時
料金:1500円


場所:東京都千代田区西神田2-4-1
   東方学会本館三階33−2号室 リムグリーン
地図:http://goo.gl/D4zgpa
   ※最寄り駅:神保町


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「温室」という都会の喧騒を離れた静かな空間をお借りしてのイベント、今回が3回目となります。
「シンガーソングライター入門」「映画音楽を聞く」
それぞれ穏やかな曲が多く選ばれたのは植物に囲まれているから、というのが大きかったです。
ならば次は直接的にこの空間に調和する音楽を選んでみようと思いました。
始めてみてすぐ気づいたのですが、「ポスト・クラシカル」と呼ばれるジャンルばかりとなりました。


ピアノなどアコースティックな楽器が室内楽的に演奏され、
時としてそこにコンピューターでエディットされた音源が加わります。
難解な現代音楽ではなく、お手軽なライト・クラシックではなく。
確かにそういう側面もありますが、ヒーリングでもない。
エレクトロニカポスト・ロック/音響系、ミニマル・ミュージックアンビエント環境音楽)に近い。
クラシックの周縁にあってその境界線上を行き交う周りの様々なものから生まれる音楽。
その優しく穏やかなメロディーは寄せては返す波の音や木漏れ日の降り注ぐ音、
雪の舞い降りる音のようであり、映画音楽を思わせます。
架空の映画の、架空のサウンドトラック。


通常のクラシックとは異なって演奏者=作曲者であることが多いです。
音楽という形式で何かを表現したいというとき
ある若者はバンドを組んでギターを歪ませ、
ある若者はターンテーブルを2台並べ、
ある若者は部屋の中でソフトウェアだけで曲を完成させる。
ならば、ピアノやヴァイオリンやチェロでオーガニックな編成となることも
選択肢のひとつとしておかしくはありません。


既存の音楽の再生産ではなく、うつろいゆくものの瞬間を捉えた音楽なのだということ。
そこでは完璧な技術よりも開かれた感性が重視されます。
美しさそのものを表わすのではなく、美しさに対して開かれているということ。
それがこの「温室」に合う音楽なのではないかと考えます。


「ポスト・クラシカル」の代表的なアーティストである
Nils Frahm や Peter Broderick を中心に据えつつ、
そのルーツとなった、環境音楽創始者 Brian Eno
ミニマル・ミュージックの Wim Mertensと Arvo Part
エレクトロニカi am robot and proud
ポスト・ロック/音響系の Tortoise
など周辺の音楽を織り交ぜつつ、進めていきます。
よろしくお願いします。