山の日

今日は山の日。初めての祝日の恩恵を受けて
朝から缶ビールを飲みながらオリンピックと高校野球を見ている。


青森県市出身の僕からすれば「山」と言えば八甲田山
悲劇となった雪中行軍が映画にもなって有名だけど、
青森県にとっては大きな面積を占める背骨に当たる山。
津軽平野に聳える岩木山のような単独の山ではなく、連峰なんですね。
日本の国土の7割が山地であったか。
青森もそれぐらい、あるいはもっとそれ以上が山に囲まれている。
つまり、ちょっと車で走るとすぐ山間に出て、山の側を、中を突っ切ることになるし、
それは津軽湾であるとか海沿いを走っていてもそうなんですよね。
新幹線も八戸駅を出て新青森駅までの大半がトンネルの中。
案外景色は楽しめない。


小学校の頃、母に連れられて、父の働いていた会社の方の運転する車で
何度か八甲田山を登った。
今なら山登りを楽しむことができるけど
その頃はただのわがままな子ども。
なんでこんな辛いことをしなきゃいけないのか、
歩いていると景色はなかなか変わらなくてもう飽きた帰りたいとばかり繰り返していた。
山が多いということは温泉も多いわけで。
山を下りたら温泉に寄ってくんだけど多感な少年は見知らぬ人と風呂に入るということができず。
そんなこんなでもったいないことばかり。
八甲田山のふもとだと酸ヶ湯温泉城ヶ倉温泉、猿倉温泉、蔦温泉
今、こんなに有名になるなんて…


高い山ばかりではなく、青森は低い山があちこちに根を伸ばしている。
僕の住んでいたところだと近くに、まあ車で行くようなところだけど
梵珠山という山があって少年自然の家があった。
小学生の高学年や中学生の頃、
夏になれば毎年学校の行事で一泊か二泊して
オリエンテーリングやキャンプファイア。
中学生になると自分たちで朝晩ご飯をつくった。


白神山地に行ったことはなく、今思えば世界遺産になる前に
母に頼んで連れていってもらえばよかったと思う。
母の元気なうちに一度行ってみたい。


あとは恐山か。
山と言えば全国どこも古来より霊場、霊山であった。
岩木山のふもとにも大きな神社がある。
青森の山も少し入ってみるとあちこちに小さい祠や社が祀られている。
家の近くには、歩いて行ける範囲で青森八十八カ所の霊場があった。
ここもまた遠足で何度も訪れている。


青森に暮らしていると山に囲まれているのが普通だった。
田んぼの中を切り開いた道路を自転車で走っていて、
ふと振り返ると八甲田山が遠くに迫っている。
青森の町並みを取り囲んでいる。
山や海に見守られながら育つというのは特別なことであるように思う。
東京の子どもたちとの違いはそこか。
物流や情報量以前の、大事なところ。