用語の問題

IT業界の中でないとなんのこっちゃですが。
長いこと気になっていたこと。


「運用」と「業務」と「保守」という用語がある。
それぞれの指すものが顧客によって異なるし、
PJによって異なるし、人によっても異なるし、同じ人でも状況によって異なる。


人によっては「タスク」を指しているし、
人によっては「メンテナンス」を指しているし、
人によっては「システムで自動化されない手作業」を指している。
そしてそれが「運用」と「業務」と「保守」のどれのことを言っているのかは
そのとき次第だったりする。
かなりのところ文脈に依存する。
そのことに気付いていない人がIT業界であっても多いように思う。


ほとんどの場合、かなり無頓着に使い分けている。
用語集を作りましょうという話はよく出るが、
「業務」の定義から始めるところは少ない。
たぶん、定義しようとするといろんな意味が出てきて、
どんな PJ であっても収拾がつかなくなるだろう。


そんなわけで当然のごとく、
「運用業務」と「業務運用」とは別物を指す。
IT業界の外にいる人には理解不能だ。


でも、そういう歪みがあるからこそ、メシの種にもなるのであって。
「業務系SE」はただそれを整理するだけで仕事になったりする。


これまでの経験から言って、
用語がシンプルに定義できたシステムは開発がうまくいく。
概念と言ってもいいかもしれない。
例えば同じような言葉に「サービス」というものがある。
この言葉を聞いて思い浮かぶものがマチマチだと、カバーする範囲が曖昧だと、
細部がどんどんブレて仕様が無駄に複雑になるんですよね。