金曜だったか、夜たまたまつけた「ウタフクヤマ」が面白かった。
福山雅治、リリー・フランキー、蒼井優がホストということになっていて
このときは是枝裕和監督、秋元康、ヒャダイン、蒼井優、広瀬アリス、広瀬すず
と豪華なゲストだった。
テーマがクリエイターということで
各界クリエイターが匿名で寄せた格言をもとにトークを進めていった。
「いい作品を作る奴は性格が悪い」とか
「これはいけるんじゃないかと思ったのが外れることはあるが、
これはダメなんじゃないかと思ったのが当たることは絶対ない」など。
その中でとても印象的なやりとりがあった。
シンガーソングライターって自分を吐露しないと歌が書けないんじゃないですか?
みたいな質問から始まって、いやいや、そうでもないよと。
福山雅治の場合は女性の一人称の曲の方が自分の本心が出ると。
そのときは「流れ星」の話になった。
自分自身が語るよりも、キャラクターを作った方が心の底を表しやすい。
リリー・フランキーもエッセイよりも『東京タワー』のような小説、フィクションの方が
自分が出たという実感があったと。
そうかもしれない。というかその通りだ。
あの人はこんなことを考えているのか、というのを人は知られたいし、知られたくない。
そんなアンビバレントな生きものだ。
見られていると思うと見栄えよくしようと取り繕ったり、
自分の中でも触れたくない部分があったり。
私や僕から切り離したキャラクターならば「いやいや僕ではありませんから」とできる。
リアルな自分を描こうとするとその自分を表す言葉が掌から零れ落ちて
うまく探り当てられないものだけど、
架空の人物を描こうとすると
その振る舞いにかえって自分というものが浮き彫りになったりするというのもある。
この時のトークは創作すること、物語ることについて重要なヒントになった。
なお、この日の後半はそれまでに出てきた話題をもとに皆で詩のアイデアを出して
福山雅治が即興で曲をつけるという無茶振り企画。いつもやってるのかな。
秋元康などは「神曲が生まれそうな予感」とハードルを上げてみたり。
そんなこんなで曲が形づくられ、磨かれていく過程はとても興味深かったんだけど、
でもまあ福山雅治の曲って僕にとってはどれを聞いても一緒かな…
福山雅治の曲というよりも福山雅治を聞かせているようで。
是枝監督の作品を初めとして役者としても素晴らしいし、
トーク番組でも面白いんだけど。