カップルズ

昨日、吉祥寺から総武線に乗った。
中央線とは違ってそんなに混んではいない。
目の前には50代半ばぐらいの男性が座っていた。
荻窪に着きそうになると振り返って視界に入ってきたホームを見る。
端に座っていたのをひとつ空けてそこにカバンを置く。
駅に着いて、同じぐらいの年の女性が乗ってきてそこに座る。


夫婦なのだろうか。しかしだったらなぜ別々の駅から乗ったのだろう。
見ると指輪はしていなかった。
同じ空気の中で生活しているような雰囲気もなかった。
若い頃はもてた、そういうふたりが年をとってそれ相応の顔つきになった。
どちらも離婚していて、最近になってばったりクラス会なんかで再会した。
たまたま近くに住んでいるから休みの日には待ち合わせて出掛ける。
そんなのを想像した。余計なお世話ながら。
たぶん不倫というのでもなかった。
何の屈託もなく男性は話し続けて、女性は聞くとはなく聞いていた。


話変わるが、吉祥寺駅の近くを歩いていたらがっつりした丼の店が
クリスマス期間はカップル入店禁止と大きな貼り紙が。
いや、クリスマスにすた丼を並んで食べるカップルってむしろ好感もつけど、と思うが、
一人で食べている男性からすると惨めな気持ちになるか。


入社2年目か3年目かのクリスマスイブ、なので20年近く前か。
映画サークルの後輩たちから誘われる。
独り者たちが集まって飲んでるんで来ませんかと。
仕事を終えて合流した。場所は渋谷の安い居酒屋。
斜め後ろぐらいの席でギャルが二人飲んでいて、酔っぱらって
「やりてえ」「誰でもいー」と連発。
僕らはその女性たちに声をかけるわけでもなく、
かけたところで鼻であしらわれるだけなのはわかっていて、
ただただ遅くまで飲んだ。
彼女たちはその後どこかでもっと渋谷の似合う男たちに出会って持ち帰ってもらっただろうか。
その彼女たちも今は40歳過ぎてるんだろうな、ということを思う。