青春の春

 
春分の日。最高気温20℃ですっかり春。
靖国神社では桜が咲いたという。しかし風が強い一日でもあった。
世間では春休みか、と思う。
 
思い出した一日があった。前にも書いたことがあったかもしれない。
高校2年の春休み、何をきっかけとしたのか市内の高校の演劇部が集まって自主公演を行った。
青高、商業、東、西(か中央)の4校。
駅ビル:LOVINA 5階のホールを1日貸し切って。
今で言うとフェスみたいなものか。
1992年ってことになるのかな。
 
青高、商業、東の演劇部が仲がよく、その混成チームで役柄といくつかのシーンだけを決めて
ほぼ即興みたいなのを上演した。青森市内の演劇のオールスターズみたいな。
やたらハイテンションな、相当異質な演劇だった。
演劇部で音響を担当していた僕はその日、もう一人の女の子とマイクを持って司会だった。
観客席は満員。市内の演劇かテレビの重鎮らしき人も来ていて、司会の僕はお話を伺った。
どうやってチケットを売ったんだろう。生徒の父兄たちが大半ではあったと思うけど。
集客に困った記憶はない。僕自身ノルマがあって周りの人にチケットを売ったという記憶がない。
 
大人はほとんど絡んでいない。
上記オールスターズの中でもさらに中核の女の子たち数名が
若さという力で切り拓いて形にしていったはず。
もしかしたら LOVINA側と交渉するために彼女達がお世話になっていた
「青森演劇鑑賞協会」といった団体に間に入ってもらったのかもしれない。
僕らの演劇部の顧問の先生も来てたな。各学校の先生は最低限当日来ていたと思う。
 
あの時のビデオ撮影も僕がやってたと思うけど、テープはどこに行ったか。
今残っていたらかなり貴重な記録になっていただろう。
あの頃の僕らにはとんでもない力があって、日々部室で持て余していた。
ああいう形で勢いを形にすることができてよかった。
青春ってこういうことなんだな、と思う。
 
僕らもその後、オールスターズの面々とはよく会っていた。
しかしあの日のような一日は二度と訪れなかった。
3年生になって受験勉強だったり、卒業して上京したり地元で働いたり、
街中でばったり会ったり、二度と会うことはなかったり。
 
いや、ほんと、青春。青森の春。