『桐島、部活やめるってよ』

日曜の夜、今更ながら『桐島、部活やめるってよ』を借りて観た。
あれだけ話題になっていたのに、劇場で観なかったことを後悔した。
この映画だけが描くのに成功しているものがあった。
あの頃は日々の些細なことが切なさや儚さ、脆さにつながっていった。
大人になったら失ってしまう、複雑な気分のルールがあった。
当事者でなければ分からないようなこと。
一度きりの激しい痛みの季節。


個人的には主人公が弱小映画部で映画を作っているというのが
なおさら心にしみた。


自分の高校時代を思い出す。
僕らもまた一人一人が桐島の周りにいた者たちだったのだ。
記憶の中でしかあの頃に戻れない。
みんな、どうしているのだろう?


・演劇部の部室に寝っ転がってスネークマンショーを聞きながら岡崎京子を読んでた。
・演劇部の最初で最後の合宿の夜に帰宅部? の面々とバスケをやった。
・演劇部で地元のテレビ局のラジオ番組に何回か出た。
・「LOVINA」のイベントホールを貸しきって市内の高校の演劇祭。僕は司会。
・打ち上げ的なことがあると普通に酒を飲んでた。おおらかだったよね。
・昼休みに「トリムラン」(焼きそば屋)に行こうとしたら先生に見つかって怒られた。
・学食のカツカレーはカツが薄かったけど、なんかうまかった気がする。
・休み時間はひらすら大富豪をやってて、7枚連続の革命を達成。
・映画部の撮影を夜遅くにやった。3年の秋だからやばかった。
・学園祭で軽音の演奏をビデオで撮影した。
・土曜に学校に行ったら当時好きだった子も何かで来ててドキドキした。
・帰りに新町の Be-Bop で CD を眺めてた。当時はマンチェスターオルタナ
・周りは皆メタルで、Whitesnake や PinkCream69 なんかを借りた。
・最短何分で自転車で帰れるかイトケンと競ってて、彼の55分という記録は破れなかった。
高校生クイズは必ず中間試験と重なって出場できず。
・推薦で受かった友人たちを心の底から呪った。
・入試で上京するとき、何人か同級生に青森駅のホームでばったり会った。
・合格手続きで上京するときの新幹線で『ライ麦畑でつかまえて』を読んだ。