千鳥ヶ淵の桜 '2022

最終日。
お客さんからの貸与物だったノートPCや入館証を返却しに行く。
昼前に予定を入れていたけど、落ち着かなくて早目に家を出る。
10時前には飯田橋に着いて、そのまま九段下まで歩いていく。
靖国神社千鳥ヶ淵の桜を見る。
 
まん防が解除されても靖国神社の桜祭りは中止のまま。
花見客はまばら。
桜の木の下にビニールシートを敷いて酒を飲む人の姿はなし。
いつもなら人でごった返すのに、遠く向こうの本殿まで見通せた。
そういえば靖国神社でお参りしたことってないな。
花見でしか来たことがないので。
僕のような一般人もお参りしてよいものなのだろうか。
 
千鳥ヶ淵も以前なら
「立ち止まらないでくださーい」と拡声器で声をかけられていたものが。
悠々と歩いて好きな場所で立ち止まって写真を撮ることができる。
夜、ライトアップがなされていた頃は身動きもままならなかった。
大混雑の美術館のようだった。
お濠を見るとボートやスワンがいくつも浮かんでいる。
ボート乗り場は見たこともないような行列。
学生たちも春休みだもんな。
 
飯田橋のお客さんが5年。
神保町のグループ会社も含めると13年。
思いがけず長い間お世話になった。
千鳥ヶ淵を歩いているといろんなことを思い出した。
夜、ビニールシートを敷いて職場の皆で酒盛りをしたこと。
震災の日は皇居の周りを歩いて新宿経由で荻窪まで帰ったこと。
その春の花見は自粛となったこと。
 
飯田橋に戻る。
青森県アンテナショップでお菓子を買ってお客さんのオフィスへ。
直近のPJの方たちのところへまずは挨拶。
次に古巣に挨拶。ノートPCと入館証を返却。
どこで誰と話しても、ありがたいことに
「また戻ってきてください」とねぎらいの言葉をいただく。
 
入館証を返却してオフィスビルを出る。
全てが終わった。
いつもの天鴻餃子坊でマーボー豆腐と黒豚餃子のランチ。
すぐには駅に向かわず、しばらく歩いて回った。
オフィスビルの周りを一周する。
気分が行き詰まるとよく抜け出してあてもなくグルグルと歩いた。
今は桜が咲いている。JRの駅のホームも満開だ。
川があってその向こうも。
Canal Cafe」のテラスの満席だった。
 
神楽坂の坂を上って牛込神楽坂の駅から乗って帰る。
光が丘に着いて、やはり少し遠回りして帰る。
公園の中を通って桜を見る。
 
これまでの部門は16年かそれぐらいいたことになるのか。
終わりの日は何もなく、あっけない。そっけない。
 
明日からは新しい事業部、新しい部門。
とりあえず今日の夜は桜を思い出し、酒を飲む。