悪夢

昨晩、寝落ちして久しぶりに夢を見た。
夢、というよりも悪夢。
唸って目が覚めた。
 
祝日だったけど、なんか異様に疲れていた。
ウィスキーを飲むにしても薄めの水割りのみ。
でもモヤさまを見てる間に何度もウトウトと。
 
ピンポーンと鳴ったので下に降りていくと
消費者金融から来たという女性が。
網戸に圧し掛かって、大げさな身振りで今にも網戸が破れそうになっている。
それで、WBCについて話したいことがあります、ぜひ聞いてくださいと。
 
その勢いが恐ろしく、鼻息が荒い。今にも家の中に入り込んできそう。
入り込んだら、取り返しのつかないことになりそう。
これは困ったことになった、と
「けっこうです」「けっこうです」
と何度も言うが、声に力がなく、甲高くなっている。
うまく声が出ない。
「へっほうへす」「へっほうへす」
と何度も繰り返す。
 
「へっほうへす」
何度目かで、目を覚ます。
ハッとする。夢だったか……
同じく寝落ちしていた妻も目を覚ます。
何言ってたの? と驚いている。
 
言葉にはできない禍々しいものが女性の姿にあってそれを振り払いたく、
なんとかしてリアルな声に出したかったのだろう。
夢の中で言うから身体をうまく使えずにいる。
もしかしたら金縛りにもあっていたかもしれない。
 
テレビではモヤさまは終わっていて、WBCのニュースだった。
それが聞こえてきて夢に出てきたのだろう。
それはいい。
女性は誰だったのか、何だったのか。
僕に何を伝えたかったのか。
 
うたたねした一瞬でも悪夢って見るんだな。
こんな気持ち悪い夢、何年ぶりだろう。