伝習座のこと、Podcastのこと

終日、豪徳寺
イシス編集学校、52破、2回目の伝習座。
僕は偉そうにも、師範代に向けて
「遊びが足りない」
「本物に触れていない、興味の範囲が狭い」
「ワークを行うときには決められた時間にどこまで達成するかイメージを持つように」
などなど、と。
 
休憩時間、松岡正剛校長に小声で岡村、岡村と呼び止められる。
今年80歳。肺がんの手術などを経てだいぶやせ細った。
声も昔の張りがない。
伝習座も不在だろうと思っていたら午後ふらっと現れて、
ソファーに座りながら無言で師範たちのレクチャーを聞いていた。
その中で、スーパーとハイパーの違いについて一言解説をする一幕もあった。
(スーパーはスーパーマーケットのように何でもあって万能だが、ハイパーは突出があるのだと)
休憩時間、何人か古株が挨拶に行っていた。
 
僕は校長の座るソファーの横でしゃがみ込む。
「岡村、店の方はどうなんだ?」
「おかげさまでボチボチです」
「なんだ、ボチボチって」
「場を作ることはできましたが、売上は苦戦しています」
「本を複数買う人はいないのか?」
「むしろ複数買ってくれる方がほとんどなのですが、客数が少ないです。
 なので、植田師範(妻)はどんどんイベントを開いて集客しています。
 6月は週に一度のペースで土日のどちらか、開催しています。
 その準備の疲れもあって、毎晩早々と寝落ちです」
「そうか。始めてしまったものは止められないから、まずはがんばりなさい」
そう言って、僕の手をポンポンと叩いた。
 
妻も店を終えて車で豪徳寺に向かうも、着いたのは21時。
全てのレクチャーが終わって振り返りも終わって、最後の写真撮影も終わった後。
さすがにその頃は校長も切り上げてソファーは空になっていた。
妻は残っている人たちにチラシを配り、何人かに近況報告をして
この場所を借りてイベントができないか、相談していた。
夜の弁当を食べて駐車所から車を出したのは23時近く。
 
先日青熊書店として、二人そろってゲストで出させてもらった
PodCast 「独立後のリアル」が配信されたので聞きながら帰る。
二人はどこで出会ったのか(それこそイシス編集学校だ)
なぜ本屋をやろうと思ったのか
神保町『PASSAGE』で棚を借りてから、自由が丘『創の実』へと至る道のり。
 
1月にリアルな店を始めてから、日々目まぐるしくいろんなことに出会ってきて
ここまで来たかという感慨もありつつ
俺の声ってほんとぼそぼそしてるな、よくこんな声で
「君らは遊びが足りない」などと偉そうに言ってたもんだなあと恥ずかしくなった。
 
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そんなわけで。
『独立後のリアル』
#214 夫婦で独立のリアル

PASSAGEの棚主仲間からのつながりで、出演となりました。