モモンガ探しています

早朝、犬を連れて散歩している人をよく見かける。


今日ふと思ったのであるが、「猫を連れて散歩している人って見たことないな」


犬も猫も飼ったことないけど、
猫がそういう類いの行為に向かない気まぐれな生き物だということはよく聞かされている。


猫に首輪をつけて、そこから飼い主の右手にまで紐が伸びている光景を目にしたことはない。

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「犬を探しています」「猫を探しています」というのがよく電柱に貼られている。
この前、「モモンガ探しています」というのを見つけた。
アパートの近辺で3箇所も見かけた。
探せばもっと見つかるだろう。飼い主は必死に違いない。
女の子っぽい手書きの文章に愛くるしいモモンガの写真。
もう1回繰り返すが、「モモンガ探しています」
日常生活ではなかなかお目にかかれないフレーズだ。
ここはオーストラリアの森の中じゃないんだから。
(モモンガってオーストラリアというイメージがあるんだけど、違う?)


ペットとして買うことに興味のなかった僕が
モモンガという生き物について考えることは1年のうち、トータルで3分もあるだろうか。
どういう動物なのかあんまりわかっていない。大雑把かつ断片的な情報があるだけ。
リスみたいなやつで前足と後ろ足の間に膜があって、
木々の間を飛んでいる写真が思い浮かぶ。
あれって飛んでいるのだろうか。それともただジャンプしているだけなのか。
鳥のような翼じゃないから滑空しているだけ?


東京都杉並区荻窪駅近辺の住宅地で飼い主はどのようにしてモモンガを飼育していたのか?
庭に木が何本か生えててその間を飛べるというような住環境でなかったら
モモンガとしてはストレスが溜まるのではないか?
非常に短絡的に考えて、「そりゃ機会があったら逃げるよな」と思う。
今ごろは井の頭公園石神井公園で野性に帰っているのではないか。


どこかの国から輸入されてきた珍しい動物たちが
飼い主の手を逃れて、あるいは見捨てられてその辺の公園で野性に帰っている。
予想外な場所で予想外な生き物たちが奇妙な生態系を生み出している。
やがて人間たちに対して復讐を行うようになる。
変なところに巣を作って詰まらせてしまうとか、あちこち食いちぎって断線させるとか。
人呼んで「モモンガの逆襲」

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僕もペットを飼って、毎朝毎晩話し掛けようかな。
朝起きたとき、夜遅く帰ってきたとき、話し相手がいるというのはいいことだ。


何がいいだろうか?