高級吉野家の噂

先日、外で昼飯を食べながら何人かで話していたら
話題が「上京してきたばかりの頃に食べたもの」ってことになり、一人がこんな発言をした。


「バブル時代なんですが、赤坂で働いてて、昼に吉野家入ったら感じがなんか違ってて。
 女性の店員が着物を着てて、牛丼一杯が1200円もしたんですよ!
 こっちは金が無いから吉野家入ったっていうのに。びっくりでしたよ」


1200円もしたんだからさすがにうまかったんじゃないですか?って聞いたら
確かにうまかったと答えが返ってきた。肉の質が全然違ってたと。


「見たことないですか?吉野家スペシャルとかそういう名前じゃなかったかなあ」
その場にいた誰もが「見たことない」「知らない」と否定。
赤坂・六本木界隈は外国人も多いだろうから、
外国人向けにビジネスを展開してみたらどうだろう?
そういう実験店舗だったのではないか。


昼休み後、会社に戻って来て調べてみたら確かに存在した。
高級吉野家はかつて赤坂で営業していた。今は無い。儲からなかったのか。
値段は1200円ではなく700円ぐらいだったようだ。
ヒットしたいろいろなページにて懐かしい思い出が語られている中で、
ほぼ日刊イトイ新聞でも取り上げられていたのを発見。
http://www.1101.com/saeki/archive/2001-12-02.html
↑かなり下の方。


Wikipedia にて吉野家を検索するとちゃんと情報が載ってて、
店の正式名称は「特選吉野家あかさか」となっていた。
値段は1000円前後。
語ってくれた人が「1200円もした」と言っていたのは味噌汁や玉子をつけたからか。

    • -

この日、吉野家の話になって僕が思い出したのは「吉野屋USA」のこと。
僕が学生時代住んでいた国立にあった。
メニューはちょっと違って、牛丼が「ビーフボウル」と呼ばれていた。
「チキンボウル」ってのもあって、これは鶏の照り焼き丼。
ニンジンやブロッコリーなど野菜が添えられていて色取りもよかった。
なかなかうまかったので今食べられないのが残念。
普通の店舗でもメニューに採用していたらなあ。


ヘッドセットをつけた若い女性の店員が笑顔でカウンターに立っていて、
こっちが「牛丼1つ」とオーダーすると
厨房に向けて「ビーフボウル、ワン、プリーズ」と伝える。
「USA」なのでやりとりは英語となるわけだ。
でも、厨房からは「並、一丁」って復唱してるのが聞こえてきて、あんまり意味がない。
それでも店員の女の子は笑顔を絶やさない。


僕は国立でしか見たことがなく、今となっては幻でも見てたかのよう。
話に出してみても高級吉野屋同様、「えー嘘でしょ?知らないよ」って言われる。
国立が実験店舗だったのだろうと僕はこれまで思っていた。
同じく調べてみたら、
USAの方は浜松町や水道橋など幾つか店舗を展開していたことになっていた。

    • -

吉野家は地方によってメニューが異なるようで、
沖縄の吉野家タコライスがあるという話をどこかで聞いたことがある。


あと、日本一の売り上げ数を誇る吉野屋は有楽町店らしい。
通勤経路にあるので何度か足を運んだことがある。
確かにあの店は大きくてせわしなかった。


カレーや牛定が好きなので僕としては松屋派なんだけど、
(カレ牛はB級グルメの王様だと思う)
牛丼そのもので言ったら断然、
すき家らんぷ亭なか卯含めて吉野屋の方がうまい。


松屋について Wikipedia を見ていたら、
1号店は江古田だということを知る。そうだったのか。
吉野家の1号店は築地にあるというのは割と有名だと思う。
BSE騒動で牛丼の提供を取りやめたときであっても
ここだけは牛丼の火を絶やさなかったということでよくニュースで見かけた。


今となっては牛丼が復活して、当たり前に食べられるけど、
ちょっと前までは店頭から消えていたのだということを思い出す。
まるで遠い昔のよう。