和歌山出張2回目 その6(淡嶋神社〜○高)

okmrtyhk2009-10-11


午前7時に起きる。風呂に入る。
9時半に後輩一家が車で迎えに来ることになっていて、その頃チェックアウト。
昨日もそうだったけど、今日も快晴。
結局のところ到着は10時近くになる。ホテルの外で田園風景をボケーッと眺めながら待つ。
そう言えば昨日の夜は駐車場の車が満席。それがほとんど空になっていた。
県外からの観光客なのか。


高速に乗って和歌山市街へ。
有田みかんの有田を通る。木々に覆われた小高い山が聳え立つ。みかんの木だという。
こちら側の斜面は日当たりがよく甘いみかんが取れるが、
その反対側や平野部は日当たりがよくない。
有田以外で取れたみかんの箱の中に1個だけ有田で取れたみかんを入れたものを
有田みかんの名前で売ったりすることもあるのだとのこと。


和歌山ICで下りて、目的地の1つ、ラーメン屋「○高」へ。
○は伏字ではなくて、「高」の字を丸く囲っている。
「○高」という店は和歌山市にいくつかあるようで
新地にある店が有名だが、今回向かうのはそこではなく花山の方の店。
以前は小汚い店だったが、新しく大きな店だった。
奥さんが一酸化炭素中毒で亡くなってその保険金で店を新しくしたという噂らしいけど、
その奥さんってのが病院の院長先生だったそうで。
でも、土日は店に立っていたのだとか。
なんで病院の先生ともあろう人がラーメン屋のオヤジと結婚して店に立つのか・・・
どこまで本当なのか分からないけど、不思議なことこの上ない。世の中は広い。


着いたのは11時前で、その○高はまだ開いていない。
花山温泉も開いてないようで、どうしようってことになって、
海沿いの町、加太にある淡嶋神社に行き先が決まる。
ここが人形の供養のためあちこちから送られてきた人形が所狭しと境内に飾られているようで。
その手のB級雑誌によく取り上げられるらしい。「いいねえ」とゴーを出す。


海辺に出る。真っ青な、紀伊水道の穏やかな海。
港では釣りをしている人たちばかり。
駐車場は満杯だった。
接岸された釣り船がひしめき合っている。


淡嶋神社へ。
確かに、人形が所狭しと並べられていた。
お堂の階段の下に日本人形。まるで増殖したかのよう。
エリアごとに種類を固めているようで、信楽焼きの狸、招き猫、蛙、お稲荷さんの狐、布袋さん、
それになぜか世界各地のお面・・・
これはすごい。絶句する。「すげー」以外何も出てこない。
なんなんだ?「量が質に転換する」ってこういうことなのか?(←たぶん違う)
これ、見なきゃ分からない。観光で和歌山を訪れたときには是非とも、ここを。


物好きで集めているのではなくて、あくまで供養のため。
境内の一角では人形を焼く炉があって、形がなくなるまで焼かれた人形たちの灰が残っていた。
人形は勝手に持ち込んで置いていくのは不可で、一体につき1000円奉納しないといけない。
見てると受付脇の箱の中にどんどん人形が増えていく。
ウェディングドレスを着たリカちゃんに、くまのプーさんに、市松人形・・・
後輩曰く、「黒い髪の伸びた人形の後姿って怖いですね」
確かに、薄ら寒いものがあった。


和歌山市街に戻って、○高へ。
ここ、和歌山駅の東側にあって駅からかなり遠く、電車で移動している観光客が訪れるのは難しそう。
連れてきてくれた後輩夫婦に感謝する。
先ほど上では怪しげな噂について書いたけど、ここはとてもうまかった。
井出商店よりも断然うまい。豚骨醤油ではなく、あっさり甘いスープがいい。
分厚くて柔らかいチャーシューが3切れ入っている。
分量は和歌山にしてはかなりあって、これで600円はとても安い。
東京で同じ内容のラーメンだったら倍近い値段になりそう。
朝食べてないってこともあって、焼き飯も追加。
こっちは普通に中華料理の焼き飯だったな。でも、悪くない。


店のテレビで「ケンミンSHOW」の特番をやってて、
帯広名物の食べ物に「中華チラシ」というのがあることを知る。
でもこれ、餡がかかってなくて玉子を入れた中華丼としか思えない。
香川では家を新しく建てたときには近所の人が風呂に入りに来て、風呂の中でうどんを食べるという。


店を出て、車に乗る。
井出商店の前まで来ると、大行列。観光客っぽい。


和歌山駅まで送ってくれて、ここでお別れ。
13:47発のスーパーくろしおに乗って新大阪へ、そして新幹線に乗り換えて東京へ。
Vivoの本屋でなんか暇つぶしになるものを、と文庫本の「死ぬかと思った H」を買う。
新幹線の中で読む。漫画になってるんだけど、絵が手塚治虫のパクリで何よりもそれが面白かった。


先ほどラーメンと焼き飯を食べたばかりだというのに
新大阪の駅で551の餃子とエビシュウマイを買う。缶ビールは3本。
「死ぬかと思った H」の次に「天外消失」へ。
東京に着く頃、ちょうど読み終える。


東京駅に着いて、OAZO丸善で「指輪物語」の文庫2巻から5巻までと
天才の栄光と挫折―数学者列伝」の広告に入っていた
「フライング・ラビッツ」という小説が気になって買う。
JALの女子バスケットボールのチーム「JAL ラビッツ」を題材にしたもの。
昨年石原さとみ主演で映画化もされている。


丸の内線の中で「指輪物語」の2巻を読み始める。
部屋に帰ってきて荷物を片付けて、梅干を買ったと母に電話をして、
「フライング・ラビッツ」を一気に読む。
「フライング・ラビッツ」そのものはご都合主義の甘いTVドラマだったけど、
併録されている00年代前半、
JAL ラビッツ全盛期に至るまでの道筋を描いたノンフィクションは面白かった。
監督として招聘される、元韓国代表コーチ林永甫が送った戦時中の体験。
キャビン・アテンダントとバスケットボールの両立。
(そう、JALラビッツの普段の姿はキャビン・アテンダントである)
JALという会社とバスケットボール部の交差する軌跡。
そして、日本を代表するスター選手として育っていくキャビン・アテンダントたちの姿。


読み終えて、眠る。23時過ぎ。
次の日から、家で3連休。