『脈動する超高層都市、激変記録35年―西新宿定点撮影』

一昨日、縁あって図書館にて
『脈動する超高層都市、激変記録35年―西新宿定点撮影』という本を借りる。
http://www.amazon.co.jp/dp/4324078750/


その名の通りの写真集。1969年から始まる。
何もなかったところに1971年、ポツンと高層ビル(京王プラザホテル)ができて
同じようなビルが10年間のあいだに少しずつ増えていって、
常にどこかでビルが建設中。
新宿三井ビル、競うように新宿住友ビル
NSビル、新宿モノリスビル、工学院大学、アイランドタワー。
1990年頃から都庁が建てられ、それが終わると今度は新宿パークタワーが。
いつのまにか一大メトロポリス。めくってるとなかなか面白い。
撮影地点は初台のマンション。


35年間。もちろん本にするつもりで撮り続けたわけではなく、
元々は撮りためた写真を展示してみたら好評で、本になったという。
企画したのは中西元男という方で、今月末京都に公演を聞きに行くことになっている。
企業の戦略デザインの専門家。(カメラマンは別)


面白いのは、ビルはニョキニョキと増えていく一方で
周りの風景が余り変わらないこと。
高層ビルと撮影地点とのあいだに団地みたいな建物が数棟並んでいて
古びて壁が薄汚れていたのが、あるとき突然きれいに塗り替えられていたり。
木々が増えたり減ったりというのはあまり変わらず。
建物の密集度が増していくにつれて緑も増えているように見えるのは目の錯覚か。
そう、何か具体的に建物が増えたわけではないのに、
どんどん密集していってるように思える。
それと共に空も不穏なものとなっていく。


細胞が入れ替わるように、よく見ると小さなサイズの民家が建て替わって。
それがマンションに取って代わられたり。
1980年台後半まであった巨大なガスタンクが突然消えてなくなる。
都市は生き物だ。月並みだけど、そんなことを考えた。