そしてまた二郎

二郎か、否か。
この10年、ラーメン界にて最もエポックメイキングな出来事は
二郎のメジャー化であることは誰にも否定はできないだろう。
つい先日も書いたけど、東京で新しくできる店は
猫も杓子も「二郎インスパイア系」「がっつりマシマシ系」ばかり。
(ブームだから乗っかりますという何も考えてなさ加減に正直頭が痛くなる)


ジャンクフードとしての二郎そのものは否定しない。
素晴らしい発明だとすら思う。
だけどその周りにまとわりついている閉鎖的な村社会カルチャーが嫌い。


例えばこういうの。
http://hamusoku.com/archives/6330255.html
「デスロット」とか「ロット見出し」とか
「ファースト」とか「ギルティ」とか意味がわかんない。
なにその得意げなローカル・ルール。
流儀の違いでいがみあってて、ぞっとする。
(もしかしてこの記事は部外者を笑うための釣りなのかとすら思う。
 「あーあいつ本気にしてるよ」って。
 反「村」として気になってる時点で僕は術中にはまってる)


そして今、こんな記事が人気らしい。
ラーメン二郎初心者も戸惑わず
 どんな注文もクリアできるコールジェネレーター」
http://news.livedoor.com/article/detail/6036989/


あーもう。
ラーメンはラーメンでしょ?
他の普通の場所では肩身が狭いけど、
ここでなら常連ぶってもいいという最後の楽園? 駆け込み寺? シェルター?
虐げられたものこそ、そこでは偉くなるというカーニヴァル的空間。
ああ、こんな勘違いした連中のいない場所で変な後付けルール無しで二郎を食べたい。


…というか僕の知るかぎり上のサイトのような会話は聞いたことがなくて、
皆言葉少なげにボソッと「○○マシマシ」と呟いて黙々と食べている。
そして食べ終えるとカウンターを台布巾で拭いて去っていく。
勝手に二郎のイメージが一人歩きして
都市伝説がブクブクと豚のように膨れ上がっている感がなきにしもあらず。
時間帯と店に寄るのかな。