夜の散歩 その2

学校のほうもだいぶ落ち着いてきて、最近は夜の散歩が定着。
近所をブラリブラリとあてもなく歩く。
今日は日中雨が降って、外は涼しかった。


空を見上げても星はなく、そこには雲が浮かんでいる。
満月の夜の雲はやけに生々しい白さでギョッとする。
(ちょうど昨日がそうでした)


昼間、青空に漂う雲は自然現象として感じられるけど、
夜に垣間見る雲は得体の知れない生き物のようだ。
静止していても蠢いているように見える。


都会の夜に観測すべきは星じゃなくて、雲だな。
そこにオーバーラップするのが電線というもの。
何であんなに複雑なことになっているのか。


同じ太さの電線が束になっているかと思いきや、
一本だけ妙に太いのがあったり。
全部そのまま同じ方向に流れていかず、分岐するものもある。


どこからどこまで続いているのか。
いや、こんなふうにして血管のように日本全国を覆い尽くしているのだ。
ほんとさ、最北端とか最南端の電線や電信柱がどうなっているのか見てみたいね。


地面には蛙の屍骸。握り拳ぐらいの大きさの。
前にも書いたけどフシギなのは見かけるのは屍骸だけであって、
生きていて跳びはねたりゲロゲロ鳴いている姿を見かけたのがないということ。


住宅地のいったいどこに棲息しているのだろう?
近くのちょっとした林の中なのか。
それとも実は誰かが飼っていて、大きくなると放すのか。


いや、実は夜行性で僕なんかが寝ているときに盛んに道路を行き来しているのか。
「都会の蛙は夜行性で、大群になって道路を跳びはねている」
そんな中途半端な都市伝説モドキをボソッと呟いてみる。