ゾッとする夢を見た。
僕は青森の家に帰っている。普段は母が一人住んでいる。
季節は春か秋、とりあえず雪は積もっていない。
空が白く曇っている。
向かいの家、道路を隔ててではなく、
敷地を接した向かいの家に住んでいた一家が引っ越していったのか
見知らぬ若者たちが住み着いていた。
年は20代半ばだろうか。もちろんガラが悪い。
朝も夜も騒いでいる。窓から何人も身を乗り出している。
首謀格の男がでっぷりと太っていて、絶えずニタニタと笑っている。
その友人たちがひっきりなしに出入りする。
比較的まともそうな、普通の格好の若者たちは中に入れてもらえず、
外でブラブラしたり、塀にもたれて無為に座っていたりする。
それが母の家の敷地の側であって。いい感じがしない。
言っても聞きそうにない。
それがあるとき、使いの気の弱そうな若者が来て
母に挨拶したいという。
僕もついていくと言ったが母はそれを制して、
大丈夫、たいしたことはない、自分だけで行くという。
毅然とした態度だった。
母が一人で外に出たところで目が覚めた。
何を意味しているのか。何を暗示しているのか。
いろいろと気にかかることが思い浮かぶ。
日本全国で今、少しずつこういうことが起きているのだと思う。
最近尼崎でも事件があった。
若者たちが住み着いてたまり場になった家。
そのこと自体は違法ではない。未成年ではないならば。
薬物関係であるとかの犯罪を起こしていないのならば。
周りの人たちは、よほど強い人でなければ、耐え忍ぶしかない。
そのうちに蝕まれていく。押し黙るうちに正常な心を失っていく。
朝からずっとゾワゾワしている。
何なのだろう、この胸騒ぎは。