伊香保合宿 その3

見晴台下のバス停で3人と合流、
渋川駅でレンタカーを借りたもう1人がピックアップしてくれる。
水沢うどんへ。元々は水澤観音にお参りした人に振舞ったものであるという。
江戸時代? もっと前? 歴史は古い。
知らなかったんだけど、讃岐・稲庭と並んで日本三大うどんのひとつ。
「田丸屋」という店に入る。駐車場がとにかく広い。
通りにうどん屋がずっと並んでいるんだけどどの店も駐車場を持っている。
地元の人たち向けというよりも観光客向けなんだろうな。
13時半、ここでさらに2人合流。
この辺りは伊香保温泉と水沢を結ぶシャトルバスがあるにはあるけど
1日4往復か5往復だったか。車がないと不便。


店の前に大きなほていさんの石像が立っていて、
入り口を入ってすぐには直径1mはありそうな錦鯉の絵皿。
大広間は修学旅行の一学年がすっぽり収まりそう。
その床の間にはやはり大きなだるまが片目を開けたまま鎮座していた。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tamaruya/
もりうどんにつけ汁が醤油とゴマの2色、舞茸や海老の天ぷらとかき揚
フキ、タケノコ、舞茸などの煮物がついた御膳にする。
おしんこ餅」というのがあって、気になって頼んでみる。
出てきたのはみたらし団子のような味と触感のあんかけ餅。
そこに漬物がついてきて、「…お新香と一緒に食べるから?」
調べてみると「おしんこ」とは新しい粉の意味であるとのこと。
うどんはコシがあってさすがにうまい。天ぷらはまあ普通。
舞茸はその後あちこちで出てきたけど、伊香保は舞茸が名物なのか。


ここのがうまいと聞いて群馬在住の方に
「地球屋」のドーナツを買いに行ってもらっていた。
http://www.chikyuya.co.jp/donut
食後のデザートで食べてみる。
僕はリンゴだったか。ブランデーが入っていてけっこう強い。
しっとりふわふわしていて、ドーナツ型のフルーツケーキに近い。
他に栗、いじちく、柚子しょうががあったかな。


食べ終わって、駐車場に車を置いたまま、近くの水澤観音(水澤寺)まで歩いていく。
http://www.mizusawakannon.or.jp/
手水は耳のある亀(龍? 甲羅があったけど)の苔むした像から出ている。
参道のかなり急な石壇を上っていく。上の方から鐘の叩く音だけが聞こえる。
他の少人数のグループがいくつか上っているだけ、静かなお寺なのかなと思いきや、
上りきって門をくぐると急に賑わいの音と声が。大勢の参拝客がいた。
常香炉の線香の煙が白く漂い、鐘突き台の鐘を学生たちの集団が順番に突いている。
本堂にお参りした後にまた鳥居をくぐって坂道を上り、小さなお堂に出る。
そこから少しばかり雪の残った山道を行くと万葉集の歌碑があった。
伊香保呂能 夜左可能爲提爾 多都弩自能 安良波路萬代母 佐禰乎佐禰弖婆」
伊香保ろのやさかのゐでに立つ虹の顕ろまでもさ寝をさ寝てば」
伊香保(当時は「厳秀」と書いたらしい)の八坂の堰にかかった虹のように
二人の関係が明るみになってもかまわない、さあ共寝をしましょう。
そういう内容。意外とエロティック。万葉集で唯一の虹を歌ったものなのだとか。


下りていって六角堂へ。台座を3回回すと願い事が叶うらしい。
最初は軽く押したぐらいではびくともしないで、
体重をかけて押すとようやくゆっくりと動き出した。
いざ回りだすと不思議なことに全然力が要らなくなる。少しの力で滑らかに回転する。
お札場の横にはカクカクと怪しげな動きをする獅子舞が引いてくれる御神籤があった。
1回200円と高くて、僕は引かなかった。
土産物屋や群馬の特産品を売る青空市場があって、その向かいに立派な釈迦堂。
(駐車場も広いし、儲かってるんだなあ…)
この中の仏像が今、無料で拝観できる。
一休和尚の書や狩野探幽の屏風があった。
坂東三十三観世音菩薩像、つまり33体の木彫りの仏像。
これが特に千手観音となると手に持ったひとつひとつ、
建物や儀礼の道具の細工が細やか過ぎて驚く。
一通り展示を見て回って売店を覗いたところ、
バンダイが作成したガンダムとザクの観音像があった。


この時点で15時過ぎ。宿に荷物を預けるか、となって車に乗るが、
途中見かけた「グリーン牧場」に寄っていく。
http://www.greenbokujo.co.jp/
いわゆる観光牧場。中に入らず、手前の土産物屋だけ。
皆、ソフトクリームを食べる。僕は腹いっぱいだったので食べず。
紙コップに入った牛乳を買った人がいて、飲ませてもらった。なかなか濃厚だった。
「MouMou焼き」という牛の頭を象ったお焼きがあった。
牧場の裏手にある「ハラ ミュージアム アーク」にも行ってみる。
http://www.greenbokujo.co.jp/events/museum/
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
東京の原美術館の分館? みたいな位置づけか。
冬季閉館中みたいだったけど、チラホラと駐車場に車が停まっていた。
美術館は真っ黒な壁の北欧のモダンな農家、みたいな感じで
なんと磯崎新が設計している。皆でこの前に立って記念撮影をする。
広々とした庭にはアンディ・ウォーホルなのだろう、
キャンベルの缶詰の大きなオブジェが置かれていた。
他にもいくつか、オブジェ。これらが見られてだけでもよかった。