うどん県の旅 その7(9/7)

琴平町に入る。中心地はやはりこんぴらさんなのだろうか。
門前町の狭い車道に踏み入れた瞬間から
駐車場のお世辞にも柄がいいとは言えない客引きがこっちこっちと呼びかけてきてげんなり。
ああ、こういうとこなのか…
もちろんそういうところには停めたくない。
少し行った先にする。500円だった。


うどん屋だろうとおみやげ屋だろうと歩いていると盛んに呼び止められる。
めんどくさいたぐいの観光地。
参道に入ると両側に店が並ぶんだけど、よく言うと昭和の懐かしい雰囲気。
悪く言うと時代遅れ。キーホルダーとか人形とかTシャツとか。
一体誰がこんなの買うんだろう、作るんだろうというようなものばかり。
一刀彫でほていさんとか龍とか彫ったのを置いている店が何軒もあるんだけど、
いまどき誰が買うんだろう? 田舎の金持ちか。
おしなべて店内は暗い。活気が無い。埃を払うぐらいしかやることがない。


中野うどん学校の店舗が何軒もある。これが今中心なのかな。
50分でうどん打ち体験ができて人気らしい。
http://www.nakanoya.net/
うどん以外でその他買うべきは「灸まん」か。
これは四国全体で有名と聞いた。


籠屋をところどころ見かけたが、利用している人はいなかった。
開店休業。
店先で杖を無料で貸し出している。帰りに元の場所に返せばいい。
杖は編笠と共に土産物屋で販売もしている。


本宮までは階段にして785段、さらに奥社までは1368段。
最初のうちは土産物屋とともにゆるやかに続く。
伊香保温泉も階段だったけど寂れてかかってて雰囲気がかなり違う。
こここんぴらさんも賑わってはいるけど、やはりいつかは寂れゆくものに思える。
http://www.konpira.or.jp/


ここで一人早めに帰ることになって、二人がバス停まで付き添う。
大門をくぐる。「五人百姓」と呼ばれる飴屋が並んでいる。
ここで一休み。門の手前の冷やし甘酒を飲む。200円。
生姜を入れる。氷が入っている。冷たくて気持ちよかった。
昨晩の雨が上がって今日は快晴。暑くなっていた。


大門から先もゆるやかに改段が続くが、
一段ごとに両端に高さ2mぐらいの札となって寄付した人の名前が。
石にも刻まれる。地元の有名企業ともなると石碑のごとく大きなものへ。
どこでもやってることだけど、こういうところで見ると世の中カネなんだなと思う。


少し進んでいくと書院に出て「若冲邂逅」展。
これは見てみたかったけど時間がなくて断念。
それに入場料2,160円というのも高かった。
その先に資生堂パーラーの運営する「神椿」というレストランがあった。
これまで見てきたうどん屋はどれも俗っぽくておいしくなさそう。
門前町・参道であえて食べるならばここだろうか…
その先に広場があって、神馬舎には白黒二頭の馬。
奥にはなぜか巨大なプロペラが。誰が何のために寄贈したものなのか。
ここまで来ると笑えてくる。こんぴらさんって賑やかなものが好きで節操ないんだな。


改段が急になり、もう少し上って行って本宮へ。
展望台からの眺めがよかった。さっき通ってきた讃岐富士や瀬戸大橋が見えた。
何人かおみくじを引き、犬をモチーフにしたお守りを買う。
さらに奥社まで行く組と、本宮で見送りに行ったふたりを待つ組に分かれる。
もちろん僕は奥社まで。これまで登ってきたのと同じだけの段数となるが、
ここまで来て行けるとこまで行かなかったら後悔する。


改段は多少急になるが、木々の間を歩くので涼しくてむしろ歩きやすい。
ところどころ小さな無人の神社がある。
樹齢何百年ともなろう大きな木が錦蛇のような太い根を這わせている。
ナメクジすらでっぷりと太っていた。
30分ぐらい黙々と歩いて奥社へ。


「本宮まで785段 本宮から583段 計1368段 海抜421米」
本宮の賑やかさとは打って変わって厳魂神社という
小さな社がひとつの慎ましい場所だった。他に御神籤所があるだけ。
岩壁に荘厳なものがあった。
ゴツゴツした赤っぽい岩の間に苔や小さな草が生えている。
それがモザイク状になっている。
見ると天狗のお面がふたつ岩に掘られている。
立て札には「右、天狗 左、烏天狗」とあった。


帰りは本宮までも本宮からも早い。
本宮では少し休憩して奉納された絵馬を見た。
こんぴらさんだけあって船、海運周りの絵馬が多かった。
その中にはTBSの秋山宇宙飛行士が宇宙服を着た絵の描かれたものがあった。


参道の緩やかな坂道に戻ってきて、30分ほど自由行動。
中野うどん学校の店先で売っている地ビール「さぬきビール」を買って飲む。
500円。結構高い。ケルシュだったのでフルーティー。だけど軽くはなく。
ラガーとバドワイザーの間ぐらいか。
女性たちはここで「嫁入りおいりソフト」を買う。
「おいり」とは香川名物の水色やピンクの小さな球状のふわっとしたふ菓子。
嫁入り道具とされてきた。
これがいも味か和三盆味のソフトクリームにかかっている。
僕はその向かいの店の「しょうゆ豆本舗×浪花堂餅店」のかまたまソフトを。
生姜味のソフトクリームに醤油とネギが少しかかっている。
意外といける。醤油がかかっている部分の方がおいしい。
女の子の一人は「POPだるま」というものを予約した。
人気があって3年先まで予約が埋まっているという。
http://yousakana.jp/?p=14499


「中野うどん学校」のうどん屋のトイレを借りようと2階に上がったら
映画『UDON』のセットが。ここに移設されてきたようだ。
「TJ讃岐編集室」や製麺所など。
しかし一般公開していないのか何なのか明かりがついていなかった。
「『UDON』セットこちら!」と看板があるわけでもなく。
なんだったのだろう。
(ちなみにうどんブームを生んだ地元のミニコミ誌は「TJかがわ」か)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/20110817000131