入院 4日目午前(手術前)

昨晩佐藤貢の旅行記を読み終える。
中国からネパールを経てインドへ。
様々な人との出会いを経て、様々な悪い流れに導かれて、
いつしか単独の日本人観光客には無理と言われていたチベット
フラフラになりながら目指すようになる。
ラスト驚愕の展開。本当だろうか?
この人の文章に嘘はないことを感じる。
これは本当のことなのだろうと思う。
素晴らしい本。出会えてよかった。
『ジャップロック・サンプラー』と並んで今年読んだ本の中ではベスト。
他は『かくかくしかじか』『アイアムアヒーロー』などの漫画か。
『ジャップロック・サンプラー』の愛情と熱意。しかも言葉を知らない国の。
同じだけのものをもって日本ロック史を書ける日本人はいるだろうか。


22時消灯、割とすんなり眠る。
6時起き。体温と体重を測る。
もうこの時間から水分の摂取が不可。
後から尿道カテーテルを指すことを考えると水は飲まない方がいいだろう。
8時の朝食も僕の分はない。
水の不要なシャンプーで髪を軽く洗って、洗面所の水で洗い流す。
『幻のアフリカ』の続きを読む。


昨日選り分けておいた手術に必要なものを確認する。
前空きのガウン、昨日買いに行った腹帯、歯ブラシ、トランクス、箱ティッシュ
今日は曇。
手術後に読む本も選り分けて枕元のテレビ台に置いておく。
老子』『ラオスにいったい何があるというんですか?』など。


四月は君の嘘』の一巻と二巻を読んでみる。
少年漫画でもなく少女漫画でもなく成人漫画でもない。
これが少年マガジンに連載されていたのか。


8時過ぎに主治医の方をはじめとして何人も。
午前に予定されていた手術がなくなって早まるという。
しかし妻の到着が12時なのでそれを待つことになる。
妻には早まったことを伝える。


『幻のアフリカ』日課の100ページを読み終える。
自由に動けるのも最後かと一階のローソンに水を買いに行く。
戻ってきて手術着に着替える。ボタンは左肩の後ろ側になるようにする。
下はいつもの短パンでもよさそうだ。
妻には一応スエットの下を持ってきてもらったけど。
エコノミー症候群防止のストッキングは後で看護婦の方にやってもらおう。
あとは点滴か。『四月は君の嘘』を読みながら手術を待つ。