「練馬区独立70周年記念展 サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」

この土日は特に予定なし。
今日も一日家でゆっくり過ごすつもりでいたところ、
朝、妻がスマホを見せてこれを見に行きたいという。
練馬区立美術館で開催されている
サヴィニャックというフランスの画家による商業ポスターの展覧会だという。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201709181505718201


そもそもの話、練馬区に区立の図書館ってあったんだ!?
これまで2年近く住んでいて知らなかった…
西高島平の方から首都高乗るとき、
カーナビに板橋区立図書館というのがモニターの端に映って
板橋区は区立の美術館があるのか、すごいな。なんて思っていた。


調べてみると所在地は練馬区貫井。駅で言うと中村橋。
笹目通りから目白通りに入って環八にぶつかってもそのまま行けばいいか。
この前のハーフマラソンのルートと大して変わらない。
『Lazy Sunday』が終わって15時過ぎ、散歩がてら歩いて行ってみることにした。
谷原の交差点までまっすぐ行くのではなく、
途中で一本内側に入ってしばらく行くと斜めの道に交差する。
これが中村橋・練馬までのバス通路になるので、そこに沿って進んでいく。
目白通りに出るとそこが中村橋の駅近く。
美術館まで40分ぐらいで着いた。案外近い。


駅のすぐ近くにあって、手前が子どもたち向けの公園になっている。
動物たちのアートな像があちこちに立っている。
美術館の中に入ると結構混んでいる。
区立美術館だからと高をくくっていたらびっくり。
サヴィニャックという画家のことは知らなかったけど、人気なのだろうか。


20世紀後半のパリを舞台に活躍。
マギーブイヨン、チンザノ、ダノン、シトロエンルノー、ジタンなど。
日本でも有名な企業の広告ポスターをカラフルでユーモラスな筆致で描いた。
色遣いが鮮やかで、ほんのり風刺が効いていて、眼差しが優しい。
ブイヨンのポスターだったらデフォルメした牛の胴体の前半分しか描かない、
毛糸のポスターだったら羊の下半身が毛糸になっているなど
描き方そのものは実験的なのに、難しさが全くない。ぽすとかー
擬人化というか漫画化のモード構成の巧みさということか。
たしかにこれは芸術品と呼んでよいポスターだと思う。
それがパリの街並みや地下鉄の通路に並んで貼ってあったのか。
「パリの街並みを美術館にした」という評価はまさにその通りだと思う。
日本だとサントリー、森永、そして豊島園のポスターを手掛けていた。
豊島園のを描いていたから、今回練馬区で回顧展となったのではないか。


見終わって妻がポストカードと図録を買う。
普段こんなに人が入ることはないんだろうな。
わずかばかりのミュージアムショップはチケット売り場の隣にあってレジはひとつだけ。
ポストカードやクリアファイル、図録を買う人たちが長蛇の列をなしていた。
いつもは知る人ぞ知る、国内の作家の個展が多いようだ。
練馬区独立70周年記念ということで海外の作家の大々的な回顧展だったんだけど、
もしかしてこの規模の展示は初めてだったのか。


17時半。中村橋の商店街を歩いて海鮮焼きの居酒屋に入り、
18時までがハッピーアワーで生ビールやハイボール、チューハイが半額というので
30分の間に元を取ろうとたくさん飲んでしまった。
帰りはバスのつもりが、ちょうどいい時間帯がなくて結局光が丘まで歩いて帰ってきた。
斜めに光が丘まで突っ切る道が他にもあって、案外近い。
中村橋まで散歩して歩いて帰ってくるのはありだな、と思った。