昨日、浅草から水上バスに乗った。隅田川を下っていく。
いくつか橋をくぐって、スカイツリーが視界の端から消えていった。
茅場町、永代橋の辺りに差し掛かって懐かしく思う。
入社4年目か5年目の頃か。
仕事が行き詰まっていて、かつ、時間だけはあって、
午後になってすることがなくなると散歩に出かけていた。
川辺の遊歩道に下りて、しばらく歩くと次の橋に出て、
そこで引き返すかそのまま橋を渡っていくか。
渡った先には埋立地なのか高層マンションが並んでいる。
それを過ぎると佃、月島。
それ以上はやりすぎだろうと引き返す。
時には後輩も誘って散歩した。
川べりのマンションに住むっていいな、と10数年前の僕は思い、
昨日の僕もそう思った。眺めがいいし、流れがいい。
船着き場があればもっといい。
上流や下流までのちょっとした移動ならばバスのように移動できたら。
そういう移動手段があったら僕はこの辺りに住んだかもしれない。
実際には全然コストに見合わないのだろうけど。
浜離宮庭園で降りて川べりを歩いていると、
小型ボートに学生たちが7・8人乗ってプカプカ浮かんでいた。
セレブな若者たちが自分たちの船を乗り回しているのか。
それとも近くの岸でレンタルできるのか。
そうだ、どこかで見たことがある。船舶免許があれば借りることができる。
そういうのも楽しいだろうなと思う。
調べてみたら6人乗りで土日3時間で1万5,000円もしない。
こういうのも大人の遊びとしてありかも。
そういったボートも東京湾華火大会の時には乗り入れ禁止となるか。
本社のビルが竹芝にあった時、上の方の会議室から見ることができた。
もちろんその日は営業が全会議室を予約していて接待に使う。
一般社員は、営業も含めてその日出社禁止ということになっていた。
そのうち見てみるかなと思っているうちに
本社は西新宿に移転し、東京湾華火大会もなくなった。
いつかは隅田川の花火大会を屋形船貸し切りで見てみたいと思うが。
今思い立つ時点で今年はもういっぱいで無理か。
隅田川沿いのマンションに住む人が、ここは花火を見ることができて、
その日は友人を呼んでBBQだと言っていたのがとてもうらやましい。
花火が見えるところに住みたいと瀬田、二子玉川と用賀の間に家を借りて住んでみたが、
一年目は用事があって終日外出、その次の年には引っ越してしまった。
入社一年目は日本橋のオフィスに配属されて、
同期たちと社員食堂で食べていると時々「ここいいか」と社長が横に座ることがあった。
部長クラスと食べているときはあの数字はどういうことだと厳しめのことを言ってたけど、
僕らと話すときはほんとただの世間話で。
社長が以前住んでいた家では豊島園の花火がとてもきれいに見えたと。
社長ともなると花火の見える家に住める。
以来、そんなふうに頭の中に刷り込まれている。
隅田川の花火大会がはっきりと見える新築マンションには
東京を代表するようなお金持ちが住んでいるのだろう。