四大プログレバンドのうちの2つ

日曜の『Song to Soul』が
Emerson, Lake & Palmer 「Tarkus」で思わず見入ってしまった。
キース・エマーソングレッグ・レイクも亡くなって、
残されたメンバーはカール・パーマーだけとなった。


妻がちゃんと聞いてみたいという。
早く帰ってきたので一枚目と『恐怖の頭脳改革』を聴いた。
EL&P ってわかりやすく、エンターテイメント性が高いからか
四大プログレの中では一段低いところに見られているけど、
僕はとても好きで、BGMとして一番よく聞くのは断然彼らだったりする。
ムソルグスキー展覧会の絵」のカバーを何の臆面もなくやるところがいい。
もったいつけたところがなく、サービス精神過剰で
ミーハー根性剥き出しなのが清々しい。
スポーツ感覚で聴ける。


先週は Pink Floyd『Early Years』のボックスセットを聴き直していた。
四大プログレとされるが、残りの3つ、King Crimson / Yes / EL&P とは明らかに違う。
孤高というか、はぐれてるというか。
3つのバンドはビル・ブラッフォードであるとか、グレッグ・レイクであるとか
メンバーが共有されてて互いにでは入りしてて仲間って感じがするけど、
Pink Floyd のメンバーがこれら3つのバンドと仲良かったって話は聞いた覚えがない。


根っこはブルースで、サイケデリックの影響を受けている、
ジャズやクラシックからは遠いという音楽性もそうだ。
ブルースゆえに、サイケデリックゆえに、大事なのはフィーリング。
他の3つのように演奏技術の向上に目を向けることなどない。潔い。
しかしそういうバンドこそが、スタジアムを一杯にするのである。
ジャンルは違うが、The Cure だってそうだ。


今聞くと、Pink Floyd で一番面白いアルバムは2枚目の『神秘』かな。
この頃はどの方向にも開いていた。
最初期リーダーのシド・バレットが離脱して、方向性をつかみかねていた頃。
Goblin が『ゾンビ』のサントラをやったようにも、
ジョニ―・キャッシュのような暗黒カントリーにも進むことができた。
『狂気』も『The Wall』も完成度が高いが、もはや何の隙も無い。
『狂気』であり、『The Wall』であるという以外の何物でもない。
『神秘』の音はどこに向かうかわからない、脆さと紙一重のスリルがある。
それでいくと、メンバーのソロを集めた『Ummagumma』2枚目も同様に面白い。