昨日、ジョージ・マイケル死去のニュース。53歳だった。心不全とされる。
うーむ、先週末が本当に「ラストクリスマス」だったか。
というか、クリスマスが終わってから「ラストクリスマス」を聞くことになるとは。
世代的に Wham ! ど真ん中だったけど、さほど熱心には聞いていない。
ソロになっても、そう。『Faith』とか。ピンと来なかった。
「Careless Whisper」は確かに名曲と思いつつも。
でもなんか一年の終わりという時期の出来事に、感慨深い気持ちになった。
デヴィッド・ボウイ、プリンス、レオン・ラッセル、レナード・コーエン。
といった1970年代、1980年代のビッグネームたちの訃報が続いて
ひとつの時代が今年終わったように感じた。
古きよき、歌心の時代。
レコード屋の壁に、誇らしげにジャケットが飾られていた時代。
昨晩毎日新聞を読んでいたら、
CDやレコードといった物理的なメディアの売れ行きではなく
音源のダウンロードや twitter での言及が本格的にヒットチャートを左右するようになった年だとして、
その代表にピコ太郎を挙げていた。
これまでは話題になって売れるのは、一部のビッグネームに限られていた。
グレン・フライ、モーリス・ホワイト、ピート・バーンズ 。
そしてジョージ・マーティンも今年だった。
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キース・エマーソン、グレッグ・レイクの ELP のふたりも。
これもまたプログレというジャンルが高齢による自然消滅へと向かう一歩として
実は案外意義深い。
どう遅くとも20年後には King Crimson / Yes / Pink Floyd も活動を停止しているはずだ。
ストーンズがそうなってもその遺志を継ぐバンドはいくらでもあるし、
そのうちのいくつかは這い上がって大きくなる、というのとは違って
様式美的な要素の強いプログレはその型が、サウンドデザインが、古くなりすぎて継ぐ者がいなくなる。
魂のないカバーバンドが全く意味をなさないジャンル。
同じぐらい長尺でテクニック重視で構築的な音楽を演奏する若者たちは
もっと別の新しいジャンル、ムーブメントに移っていくだろう。
あるいはへヴィメタルに飲み込まれてしまうか。
プログレに限らず、既存のジャンルの解体・再構築はその名前を残す、残さないに限らず
今度もっと進んでいく。
そして50年後には全てがクラシックロック、クラシックポップといった
ざっくりしたカテゴリーでアクセスするものになっているかもしれない。
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追記。
その活動は長かったが、
キース・エマーソン、グレッグ・レイクのふたりが真に革新的だったのは
1970年代を中心とした10年にも満たない。
ジョージ・マイケルだって1980年代から1990年代にかけての10年。
たったそれだけなのだということ。
そのサイクルはさらに加速するだろう。
5年も最先端でいられたらとてつもない天才だというような。