桃カレー

昨晩はレトルトの桃カレーというものを食べた。
先週の会合で山梨の友人からお土産にもらった。
山梨の農家が企画して作っているという。


元々辛口だったのでかなりスパイシー。
なかなかいけるカレールーだと思う。
しかし、桃の果肉の感触と甘味が浮いてるような。
ミスマッチかな、と思って口に運んでいるので
ミスマッチと感じしてしまうのかもしれない。


桃はピューレにして隠し味にするか、
ホロホロに溶かし切った方がいいかもしれない。
その分ニンジンを入れたらかなりおいしいだろう。
と、友人に伝えると、山梨ではニンジンが取れないのだと…
なかなか難しい。
物珍しさに、話のタネにお土産で買ってはみるものの、
リピーターになって取り寄せる人はそんなにいないのではないか。
自分の舌だけで判断してはいけないけど。


フルーツを素材にしたカレーはヘルシーで丸の内や恵比寿で働くOLに受けそうに思う。
前にも書いたように思うが、おしゃれな専門店ができたら当たるんじゃないか。
でも、そういった層にこのお土産は届かない。
マーケティングのアンマッチがありそうで、歯がゆい。
特産品を使って新しい商品を作りたい、という試みだけではもはや売れない世の中。
誰に届けたいのか、そのためにどうするのか、
売れてる商品は作った後の流通コンセプトもきっちり考えてるんじゃないかな。


それともうひとつ。
ご当地カレーってあちこちにあるけど、どれも高いんですよね。
700円とか800円とかざら。
材料費がかかるし、大量生産の仕組みもおそらくないし、製造コストが高い。
全く別物とはいえ、スーパーで売っている
100円や200円のボンカレーめいらくのカレーに太刀打ちできない。
しかもこっちの味の方が慣れ親しんでいる。
結局一度食べてそれっきりになってしまう。


カレーって不思議な食べ物で
どんな食材も煮込んでしまえば取り込んでしまえる懐の深さがあるけど、
結局多くの人が一番好きなのは家のカレーや小さいころどこそこの店で食べたカレーなんですよね。
そこと比較してもおいしいという製品に仕上げるならば
天才的なセンスか天文学的なコストが必要とされる。


なのでご当地カレーってノベルティとして売る分にはいいだろうけど、
それ以上の夢を託すのはどうか。
聞くと桃カレーはレトルトの製品があるのみで、
山梨県内で桃カレーを出す店があるわけではないとのこと。
名物として認知度が上がって、実際に店で食べたらおいしかったのでお土産に買って帰りたい、
そういうフローがないとなかなか売上には結びつかないのではないか。


そんなわけで次は、ブドウのカレーかほうとうのカレーを食べてみようと思う。
後者は絶対おいしいはずですよ。