編集工学研究所見学ツアー

17日日曜は破の汁講(オフ会)で、赤坂にある編集工学研究所の見学ツアー。


11時に赤坂見附駅集合。
丸ノ内線沿線に住んで11年目に入ったけど、
赤坂見附の駅で下りたのって初めてかもしれない。
地下鉄がたくさん乗り入れてて、乗り換えで利用したりはするものの
この駅の周辺はオフィス街で何があるわけでもなく。


師範代や教室の方々とお会いする。みな、初対面。
全員揃うまで駅で立ち話。稽古の話をする。
バリ料理の店に入って、汁講昼の部の後、赤坂方面に移動。
編集工学研究所へ。


隣に「リキマンション」ってのがあって、リキはもちろん、力道山のリキ。
3階建てだったか4階建てで、
小さいなあと思いながら敷地内に入ってみたところ、何棟もウネウネと連なっていて以外と広い。
力道山全盛期に手掛けたビジネスのうちの一つなのだろう。
たぶん、死後手放して名前だけが残った。


編集工学研究所の中に入る。兄弟教室の方々と合流する。
僕らの教室はこの日の参加者は皆東京在住だったけど、
兄弟教室の方々は関西からだったり、遠方の人が多かった。


まずは1階のミーティングスペースで自己紹介や歓談。
途中でロールケーキが出た。
周りの壁が全て本棚。
イスラムだったらイスラム、オカルトだったらオカルト、分類されて本がびっちりと並べられていた。
入りきらなくて各棚とも横積み。
何万冊とある蔵書の、これでもほんの一握り。


「物語」の話になる。師範曰く、破のカリキュラム、
クロニクル編集術も物語編集術もプランニング編集術も
どれも同じものが形を変えているだけ。なるほど、と思う。


兄弟教室ではまだ、誰もクロニクル編集術登頂者ゼロのようだ。
僕が登ったと紹介されると、すごい、と驚かれる。
守の時同様、僕は「回答が早い人」ってことになってて。
積み残しがなくリアルタイムに回答している人って全教室でも4・5人なのだそうな。


上の部屋を見学。
・編集学校の学林局(辞書や参考図書の山。以下、どの部屋もそう)


・雑誌の編集室?映像の編集を行う機材もあり。
 古すぎてバラバラになった「遊」1期の創刊号や、現在入手不可の「全宇宙誌」を見せてもらう。
 「全宇宙誌」はとにかくすごかった。杉浦康平デザインで工作舎で作成した本の最高傑作。
 その名の通り、宇宙の全てを語る。初版は1979年。
 漆黒の宇宙空間に浮かぶ銀色の星々がそのままページに落とされたかのよう。
 小口にはアンドロメダ星雲が描かれているなど、気の遠くなるような職人芸に圧倒される。
 案内してくれた学匠も新人時代にページ下部の目盛りを手で1つ1つ切り貼りしたのだという。


・階段を上っていくと、壁に校長が自ら描いたユーモラスな自画像の小さな額が飾られていた。


・校長室。日曜以外はたいがいここで仕事をするのだという。
 机にはSHARPの「書院」が鎮座している。パソコンではない。
 長い年月をかけて校長松岡正剛と相性よくカスタマイズされた辞書が搭載されている。
 これ、故障したらもうメーカーでも修理できないのではないか・・・
 あと、校長は最近雪駄がお気に入りだそうで、部屋の隅にいろんな種類のがたくさん並んでいた。


・最上階に、校長が「書」を書く部屋。


・ベランダから外に出る。鉄のむき出しの階段を上る。
 屋上に出ると、六本木ヒルズやミッドタウン、新宿のNTTドコモのタワー、TBSの社屋が見渡せた。
 眺めがいい。屋上があるというのは、とてもいい。
 夕暮れ時や徹夜明け、疲れた校長がここに上って風景を眺めたりすることもあるのだろうか。


16時になって、次の回の見学をすることになっていた教室の方たちが現れる。
ここで入れ替え。守の教室で一緒だった方と久しぶりに再会、
「クロニクル上りましたか?」などなど近況を交わす。


汁講夜の部まで時間があって、喫茶店に入る。
カプチーノを頼むと、泡立った部分にチョコレート?で模様を描く。猫とか。
20守のとある教室では卒業文集を作ったということで、見せてもらう。
教室での名回答、名やりとりの抜粋と、勧学会で皆で作った短歌などなど。
いいなあ!と思った。


守の教室で誰それさんと一緒で、みたいな話を兄弟教室の方々とする。
こっちの教室ではこういう話題で盛り上がったよ、とか。
周りの教室のことって気になるもんです。


汁講の店へ。
会場となる「白碗竹快楼」は古い民家をそのまま店にしたと思われ、雰囲気があった。
僕は生ビールをどんどん飲み続けて、途中から紹興酒もチャンポンで。かなり飲んだ。


離の話を少し聞けた。
5冊の本を明後日までに読んでクロニクルを作るだとか、聞いててゾッとした気持ちになる。
聞けば聞くほど、なんかもう人間の限界に挑戦するようなことばかり。
怖いけど、来年の今頃やってるんだろうね。
校長松岡正剛のハイパーな読書術をノンストップで体験する。
どうもそういう場所のようだ。


その他、印象に残った校長の話。
・校長が社会と関わるようになったのはここ2・3年のこと。
・校長は午前3時まで本を読んで、眠い・疲れたとなってから
 さらにどこまで読めるか、自分を試すのだという。
 素振り2000回やって、両腕が疲労で痺れてフラフラになった状態でさらに素振りを続ける。
 そのとき、自分はどんなスイングとなるか?そういうこと。


他の教室では、先日のAT章で裏木戸が開いて怒った人がいると聞いた。
教室内のトラブルの事例をいくつかこっそり教えてもらう。
人間が集まってやってることだから、起きるのは仕方がないことか。
100人、200人といればいろんな人がいる。
僕の場合、守でも破でもそういうことがなくてよかったと思う。


1次会の店を出て、2次会の店へ。
遅くまで飲んで、帰ったのは終電間際。
守のときからハードな飲み会が何回かあったんだけど
それって僕がいるからだろうか、って気がする。