大衆居酒屋のランチ

昨晩も遅く、昼の弁当を用意できず。
どこかで食べるかとオフィスビルの外に出てぶらぶら歩いていると大衆居酒屋チェーンの「大金星」が。
焼き鳥がメインかな。手頃でおいしく、何度か入ったことがある。
神保町の店はよくランチで入った。
ビッグチキンカツカレーというメニューがあって、名前の通り拳のように大きなチキンカツが乗っている。
ルーは黒っぽくコクがある。しかしさほど深みはなかったかな。
カレー激戦区神保町で勝ち抜くには物足りないけど、面白い味ではあった。
それがあるときランチをやめてしまって、二度と食べられくなった。
そのことを時々思い出していた。
絶品だったけど忘れてしまうものもあれば、それほどでもなかったが何度も思い出すものもある。
 
飯田橋の店の前まで来ると年配の元気な店員が呼び込みをしていて、
メニューを見ると「ビッグチキンカツカレー(1日5食限定)」とあって、お、と思う。
嬉しい再会。さっそく入ってオーダーする。
出てきたのは神保町とは全然違うものだった。
揚げたてのカツは大きいけど平べったく、カレーも普通の茶色。レトルトかもな……
しかしそれでまずいと思うことはなく、これはこれでありかと食べた。
 
昼の時間なので次から次に近くのサラリーマンが入ってくる。女性客も入ってくる。
とんかつ定食や牛筋煮込み丼が700円だったか。
おかず2種を選ぶ定食が850円。
鯖の塩焼きやマグロの刺身、麻婆豆腐、ミックスフライ、唐揚など。
由緒正しい大衆居酒屋のランチ。
先払いで前の人が支払いをしている間、
どれにしようかなあと悩む顔つきってなかなかいいものだ。
 
鯖の味噌煮、豚の生姜焼き、アジフライといった定番メニューと、日替わりと。
大衆居酒屋の安いランチってなかなかいいもので。
どこも似たり寄ったりのようでいて、それぞれの味とそれぞれの顔がある。
小鉢にこだわりがあったり、生卵がついてきたり。
 
これぞという店を3つほどキープしてずっとそこで食べていて、
店に入るなり「あら、いらっしゃい」と言われて少し世間話をして、「いつもの」を頼む。
そこまで来るとプロのサラリーマンだな、と思う。
ガイドブックなりスマホを手に毎日新しい店を開拓しているのも楽しいけど、
それってどっか素人だなとも思う。
今日はカレーだな、とか今日は魚だなとか、といった気分に応じて入る。
その3つの店が厳選されていて誰を連れてきても満足してくれる。
マグロの中落ちであるとか、鮭ハラス焼きであるとか、肉豆腐とか。
もちろん夜来ても安くおいしく過ごせる。
どうせサラリーマンであるなら、そんなふうにありたい。
 
そういえば、居酒屋ではなくバーだけど。
とないにいくつかある「うすけぼー」の日替わりがいつ食べてもおいしかったな。