When the Levee Breaks

昨日の朝、8時過ぎに目が覚めた。
iPhone を見ると母から着信があった。
起き上がり電話してみると、熊本と鹿児島が大雨で大変なことになっているという。
テレビをつけて NHK にする。
数十年に一度の大雨で球磨川が氾濫。
茶色い濁流に町が飲み込まれ、屋根に上がって救助を待つ人たちが中継で映し出される。
 
上空からの映像。人吉駅前が完全に水没して、川と地面の区別がつかなくなっている。
去年のゴールデンウィーク、平成から令和に切り替わる日、
球磨焼酎の酒蔵を回ろうと人吉市を訪れた。
川を遡り、湯前町にも足を伸ばした。
泊まった温泉ホテルは結構大きな建物で近くにもっと大きなホテルが建っていたが、
それがわからなくなっている。
 
昼は有名な鰻屋である「上村」の行列に並んだ。
古い家屋だったが、大丈夫だろうか。
いや、絶対大丈夫ではないだろう。
その向かいの見学をさせてもらった酒蔵も。
泥だらけとなってもはや営業できないのではないか。
廃業するしかなくなっていたら……
知っている場所が自然災害で甚大な被害を受ける。
東京にいてできることは少ない。
 
昨日は車に乗って二子玉川へ。
ライズは地下の飲食店街に入っただけだけど、大勢の買い物客であふれていた。
周辺の駐車場もいっぱい。
コロナ禍で続いた自粛が解除されて、もうこりごりとかつての生活を楽しむ。
終わったことになっている。
僕らもそこにいたのだから、大きなことは言えない。
 
しかし東京は3日連続で新規感染者数が100人越え。
知人で感染したという人はいまだ聞かないが、
身の周りで感染者が出たという話をこの1週間で立て続けに聞いた。
第二波はすぐそこまで来ている。
なのにそれは別の東京の出来事であるかのように僕らは振舞っている。
 
発達した梅雨前線による集中豪雨で川が氾濫して広範囲に被害を受ける。
雨とは限らない。川とは限らない。
東京の梅雨はまだ明けていない。