ここに住むという直感

その町に初めて来た時、なんか皮膚感覚で気になるところがあって
あー、いつかこの町に住むことがあるかもしれない、と思うことがある。
 
二子玉川もそうだった。
荻窪に住んでいるときは何度か、自転車に乗って環八を走っていった。
セレブの住む近未来的な町という印象があって
自分にとっては身分不相応と思っていたけど、
結婚するときにたまたまいい賃貸物件と巡り会って住むことになった。
セレブな人の住む町というのは確かにそうだったけど、
用賀や上野毛まで足を伸ばすと普通の人が普通に暮らしている町でもあった。
 
光が丘もそうだった。
駅に着いて地上に出た時、周りを巨大な団地が取り囲んでいてギョッとした。
まさかこの団地に住むことはないだろうと思いつつ、なんか妙に気になっていた。
Queen の限定盤の店頭在庫をタワレコで検索したら
光が丘の店舗にあると知って買いに来たと記憶していたが、
調べてみたら Queen ではなく、Linda Ronstadt 『Hasten Down The Wind』の紙ジャケだった。
 
2015年7月25日のことだった。5年前。
まだ世田谷に住んでいた頃だな。
その次の年、家探しをしていたときに光が丘の物件を紹介され、
この家、なかなかいいんじゃないかと思った。
あー、あの光が丘に住むんだな。なんか感慨深かった。
 
その後そういう思いをした場所はなく。
当面光が丘に住み続けるのか。
以前、江古田界隈を歩いたときはもしかしてここかも?
と思ったことはあった。
いや、でも違うか。
 
全然思いもかけない場所でそれはあるかもしれない。
例えば鳥取種子島。例えばシドニー
 
ああ、この老人ホームだったら住みたいな、
というものじゃなきゃいいんだけど……