茨城へ(前篇)

土曜のこと。鹿島の叔父さんの家へと向かう。
7時半に起きてチコちゃんの再放送を見ながら
リビングの片付けをしたり、階段に掃除機をかける。
全て準備が済んで家を出たのは11時過ぎ。
ガソリンを入れる。ここ数日で値上がりしたと妻は言う。
朝から腹の調子がよくない。ひどくはないが下し気味。
ウィルス性の胃腸炎だろうか。
何度かトイレに駆け込む。
 
平和台から環八に乗って中台から首都高。
荒川沿いに千葉方面へ。
小菅ジャンクションが近づいたところでスカイツリーが大きく見えた。
常磐道を少しかすめて東関道。
湾岸千葉、四街道、佐倉。
酒々井のパーキングエリアで休憩。松屋とスタバが入っていた。
 
利根川に出て視界が開ける。
田んぼの向こうに工場の煙突、鉄塔の赤と白。
煙突からは白い煙がたなびいていた。鹿島の工業地帯か。
道路が広い。土地が広い。
ラーメン屋だろうとユニクロだろうとロードサイドの店が大きい。
家もまばら。原っぱのところどころにポツンとビジネスホテルが建っている。
広い敷地に建築資材を積み重ねている。
ホームセンターもとにかく大きい。農業資材だけで一棟広がっている。
 
13時。叔父さんの家には16時までに行くとしていて、
時間があったので近くの鹿島神宮に行ってみた。
鄙びた参道をゆっくり進んでいくと
蕎麦屋のおばちゃんが隣接した有料駐車場へと促す。500円。
鹿島神宮のオフィシャルの駐車場があってそこは300円のようだけどと
進んでいったら300円と書かれたプラカードを持った男性が誘導している。
ここだろうかと入ったが、ここもお土産屋の駐車場だった。
オフィシャルの駐車場は入り口のすぐ近くにあった。
 
参道の蕎麦屋の一つに入った。
僕らが入った時は空いてたのがすぐ満席になった。
どの店もけんちん蕎麦がメニューにあって
妻はそれと火薬ご飯のセット、僕はカツ丼とせいろ蕎麦のセットにした。
店主の趣味が模型作りなのか、店内には城、バイク、戦車、様々な模型が飾られていた。
ジャズコンボのフィギュアが曲に合わせて腕や楽器を動かしていた。
 
鹿島と言えば塚原卜伝
広場ではその生涯を絵本にしたものをさらにパネルにしてかざっていた。
鍋の蓋で敵が襲いかかってきたのを防いだとか。
80歳を超えた長生きだったことを知る。
 
大鳥居、その先の楼門。
夏越しの大祓とのことで茅の輪をくぐる。
今、令和の大改修となっているようであちこちに覆いがかかっている。
明日は年に一度の古武道大会が行われる日となっていて、舞台の用意がなされていた。
「鹿島七不思議」を記した立札があった。
・要石 その根底ふかくて図り知れずという
・御手洗 池の深さ大人小人によらず乳を過ぎずという
などなど。
奥参道を歩いてその要石、御手洗池に行ってみる。
ところどころにBS-NHKのドラマ『塚原卜伝』のロケ地はここだったと看板が立っていた。
参道の左右から伸びる古木がどれも立派で見上げるととてつもない高さ。
100年、200年ではないだろう。
澄んだ空気が心地よい。人がいないところではマスクを外して思いっきり呼吸をする。
 
途中、鹿園があった。
100円でニンジンが数切入ったカゴをもら、餌やり体験。
柵の隙間からニンジンを差し出すと我先にと群がってくる。
池の鯉というよりもゾンビ映画のような……
我関せずと奥で寝そべっている親子もいた。
 
奥宮から右へ。また森の中をしばらく歩く。
要石が祀られているが、地面から頭がちょこんと出ているだけ。
どれだけの大きさなのだろう。
地中の鯰を押さえつけているからこの辺りは地震の被害がないとのことだが。
 
奥宮に戻ってさらに奥の御手洗池へ。
先ほどの塚原卜伝のパネルでは
戦国時代、敵を切りまくってむなしくなった卜伝が故郷鹿島に戻り、
御手洗池に入って修行をしたとあった。
四角形に掘られ、苔むした中を鯉や金魚が泳いでいる。
清水を汲むことができる。
空のペットボトルを様々なサイズで売っていて
一番小さいサイズが500mlで100円。
これに柄杓で掬っていれていっぱいにする。
さっそく飲んでみたが、煮沸してから飲んでくださいとあった。
この土日、腹の調子がよくないのは煮沸せずに飲んだからか……
 
この日何度目かのトイレへ。
出てくると御朱印帳の窓口。受け付けると番号札が渡され、
「359番の御朱印帳ができました。窓口に取りに来てください」
というようにコンピューターの音声が。
ドライブスルーのようだった。
 
鹿島神宮を出て叔父の家へ。
16時前に着いて荷物を下ろすとそのまま温泉に行くことになる。
神栖市。この辺りも地震の影響があって道路が崩れたところがあったこと。
コンビナートの収入で潤っていて全国でも5番目の住みやすさ、
中学校までは授業料無料で、移り住んでくる母子家庭が多いのだという。
まだ家の建っていない空き地が多く、鉄塔がまるで見本市のように多種多彩な形や大きさで。
遠くまで連なっている。
来る途中にJAEA原子力機構)の広大な施設もあった。
電力という意味ではここは日本の大動脈瘤なのか。
 
北浦の南の端にかけられた橋を渡る。
湖のほとりに建てられた鳥居を見た。
潮来市に入る。
丘の上のかんぽの宿の日帰り入浴を利用するはずが、
受け付けは16時までだという。30分ほど過ぎていた。
引き返し、鹿島セントラルホテルの温泉にする。
出張で来る人が多いのでホテルがたくさん建っている。
その中でも一番大きい。
家の近くの極楽湯のようにお湯が黒っぽい。化石が溶け込んでいるのか。
内湯がぬるく、露天風呂が熱い。
大理石の一人用のソファーのような形状の浴槽があって
これが心地よく、何度も入った。
 
温泉から出ると叔父の家の近くの居酒屋へ。
料理も酒もメニューが豊富でいい店だった。
20以上歳の離れた従姉妹とその友達が合流して楽しい時を過ごす。
あいつに電話しようとなって何年かぶりに別の従姉妹と話したり。
母は7人兄弟なので従兄弟・従姉妹が勢ぞろいすると
40年ぐらい年が離れているんですよね。
 
酔っぱらった叔父を抱きかかえて帰る。
布団を出してもらってさっそく寝る。
叔父は犬を飼っていて僕らが返ってくるとはしゃぎ出す。
ケージに乗りかかって尻尾を振る。
 
僕らも酔っぱらって23時には寝た。