先週買ったCD #93:2022/07/18-2022/07/24

2022/07/18: BOOKOFF 熊本健軍店
坂本龍一 「Field Work + Steppin' Into Asia」 \330
 
2022/07/18: www.amazon.co.jp
Rush 「Exit... Stage Left」 \1013
The Housemartins 「Now That's What I Call Quite Good」 \779
The Housemartins 「London 0 Hull 4」 \1000
 
2022/07/18: tower.jp
The Black Crowes 「1972」 \2530
 
2022/07/18: www.hmv.co.jp
Guni Vannelli 「Brother To Brother」 (\1800)
(Soundtracks) 「Summer of Soul (...Or, When The Revolution Could Not Be Televised」 (\2640)
HMV のポイントで
 
2022/07/18: www.hmv.co.jp
(V.A.) 「アルタイのカイ――ボロット・バイルシェフ」 \1296
(V.A.) 「ギリシャ民族音楽」 \1703
(V.A.) 「南部ベトナムのサロン・ミュージック――タイトゥ」 \1296
(V.A.) 「バリ/スンブウックのガンバンとシンガパドゥのキドゥン」 \1703
(V.A.) 「バリ/バンデのバラガンジュールとシダンのアンクルン」 \1703
 
2022/07/18: www.hmv.co.jp
山口富士夫 「ひまつぶし 2022 Digitally Remastered」 \2750
The Police 「Around The World (restore & expanded)」 \4785
Superorganism 「World Wide Pop」 \2420
Camila Cabello 「Familia」 \2970
Norah Jones 「come away with me (Super Dluxe Edition)」 \5500
Melody Gardot & Philippe Powell 「Entre eux deux」 \2860
Carlos Aguirre 「Va siendo tiempo」 \3300
 
2022/07/20: www.amazon.co.jp
Primal Scream 「Give Out But Don't Give Up (紙ジャケ仕様)」 \3000
Primal Scream 「Xtrmntr (紙ジャケ仕様)」 \2800
 
2022/07/21: TowerRecords 光が丘店
Stray Cats 「Live At Rockpalast」 \3590
 
2022/07/21: www.hmv.co.jp
Neil Young & Crazy Horse 「Weld」 (\990)
HMV のポイントで
 
2022/07/21: www.hmv.co.jp
Pet Shop Boys 「Disco 2」 \110
 
2022/07/21: www.amazon.co.jp
Pet Shop Boys 「Night Life <Deluxe Edition>」 \2480
 
2022/07/23: DiskUnion 神保町店
Gypsy Kings 「Greatest Hits」 \100
Jane Birkin 「Quoi」 \100
Percy Faith Orchestra 「Malaguena」 \580
 
2022/07/23: www.amazon.co.jp
岡林信康 「ライブ中津川フォーク・ジャンボリー」 \1750
 
2022/07/24: www.amazon.co.jp
Primal Scream 「Vanishing Point (紙ジャケ仕様)」 \2703
 
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(V.A.) 「バリ/バンデのバラガンジュールとシダンのアンクルン」
 
民族音楽を普段から好きで聞く、という人は日本にどれだけいるのだろう。
この世界にはどれぐらいいるのだろう。
 
2008年にキングレコードから出た「World Roots Music Library」が
国内最高峰のシリーズであって決定版となるだろう。
全世界から実に150枚。質量共に充実。
これを超えるラインナップに挑戦するレコード会社は二度と現れないと思われる。
 
僕が最初に出会ったのは、今から5年前か6年前か。
神保町の DiskUnion でたまたま見かけた
「中部ジャワ/ソロ、ススフナン王宮のガムラン」という3枚組。
深紅の背景に古い楽器(装飾品?)があしらわれ、英語で解説文というジャケットが
スタイリッシュで、思わず買ってしまった。
 
青銅の、あるいは鉄製の、時には竹製の
大小さまざまな銅鑼と鍵盤打楽器による合奏。
青銅の鋭くも柔らかい音がミニマリズムを極めたリズムの反復でモアレ状となる。
何人も一緒になって同じフレーズを叩き出すと少しずつずれるというのもあるし、
手作りの楽器ゆえにチューニングがほんのわずかにずれるというのもあるのかもしれない。
この降り注ぐような音がなんとも心地よい。
最初僕はガムランはバリ島の音楽だと思っていた、というかケチャとの区別がついていなかった。
本来はインドネシアのジャワ島が本場となるか。
バリ島の方はカラフルで躍動感があり、大人数による素朴なダイナミズムがある。
村人たちが自らの祭りのために演奏するんだったか。
ジャワ島の方は主に少人数のプロの楽師たちが王族のために演奏する。
ゆえに典雅で幽玄。水墨画を描くような。
 
音楽的にはジャワの方が気に入ったけど、
バリの、ケチャ、バロンダンスに組み込まれたエネルギーの奔流のような生命力もいい。
余りにはまって、西新宿の広場で行われた芸能山城組のケチャ祭りも
3年前か4年前に見に行った。
その後コロナ禍で見れずにいるのが残念でならない。
 
ガムランとその周辺は人気があるのか、
ジャワ、バリの音楽は「World Roots Music Library」のシリーズの中でも
30枚ぐらいある。結構な割合だと思う。
同じぐらい人気があるのはインドの音楽か。
もちろんアフリカや中南米中央アジア、ヨーロッパの音楽もある。
ロマやイヌイットもあった。日本だと
「沖縄の古典音楽~西江喜春、玉城正治
「沖縄・宮古の神歌」
「長崎・生月島オラショ
東大寺お水取りの聲明」
アイヌのユカラ~萱野茂
この5枚かな。ガムラン関係はその6倍ということになる。
 
僕のおススメを挙げるとこの辺り。
「中部ジャワ/ソロ、ススフナン王宮のガムラン
「中部ジャワ/マンクヌガラン王宮のガムラン
インドネシア/ソロ国営放送局のガムラン
「バリ/ビノーのスマル・プグリンガン」
「バリ/グヌン・ジャティのスマル・プグリンガン」
「バリ/バトゥール寺院のゴングデ」
「バリ/グヌンサリのゴン・クビャール」
「バリ/スアール・アグンのジェゴッグ
「トゥンガナンのスロンディン」
一口にガムランと言っても
地域や編成に寄ってだいぶ違う。演奏する曲も変わる。
洗練を極めたものもあれば土くさいものもある。
その違いがわかってくると断然面白くなる。
 
ジャワ島の音楽だとガムランではなく琴のような弦楽器による演奏もある。
こちらも王宮向けか。さらに幽玄の度合いが増す。こちらも面白い。
「西ジャワの宮廷音楽」
「西ジャワの音楽 / S.ナノ」
男女の歌い手が入る。哀切に満ちた歌声。
そういえばガムランは歌がないな、と気づく。
 
僕が買い始めた5年前、6年前には店頭在庫は既になくなりつつあった。
HMV のサイトでまだ多く在庫が残っていた。
それも今はだいぶ減ってしまった。
京都ローカルのCD屋に在庫があると知って問い合わせて購入したり、
学習教材を扱う問屋のサイトに注文するも購入できなかったりといったことを続けてきて、
今は DiskUnion のワールドミュージックのコーナーに中古で出るのを買うぐらいか。
 
HMV のサイトで3年前、買えそうなものを片っ端からオーダーした。
しかしそれでも在庫ありで購入できたのは頼んだうちの半分ぐらいか。
取り寄せ中のままずっと止まっている。
それが先週になってひょっこり出荷となった。
誰かが押さえていた注文の中にあってキャンセルされたのかもしれない。
 
「バリ/バンデのバラガンジュールとシダンのアンクルン」は
村の祭礼儀式としてのガムラン
質実剛健、シリーズ屈指の緊迫感の高さを孕んでいる。
逆説的に最も寡黙なガムラン
解説を読むとバラガンジュールとは
悪霊を追い払う音楽とも、悪霊に捧げる音楽とも書かれていた。
 
今、「World Roots Music Library」のシリーズは
ハイレゾ配信の対応を進めているのだという。
形は変われど、この時代にも入手可能となってよかった。
 
そういえば。
The Pop Group「For How Much Longer Do We Toletate Mass Murder?」(1980)
冒頭(”Forcees of Oppression”)のケチャ、あれは
『World Roots Music Library』のシリーズではないけれども、
Nonsuch レーベルの民族音楽のシリーズから出た
「バリのガムラン1~世界の夜明けの音」(Bali Music From The Morning World)
の中の曲”Ketjak Dance (excerpt)”の途中からの抜粋と思われる。