節分と不眠症

節分。
小さい頃は僕の家でも豆を撒いたが、煎り豆や福豆ではなく、落花生だった。
テレビで撒いてるのと違う。テレビと同じがいいと駄々をこねるが、
母はその方が掃除しやすい、後で拾って食べられると。
落花生の袋にもこの時期は鬼のお面がおまけでついていた。
 
落花生を撒くのは裕福ではない我が家だけだと思い込んでいたんだけど、
東北、北海道は落花生なんですよね。
恥ずかしくて周りのクラスメイトに落花生を撒くのかとは聞けなかった。
 
ここ十年ぐらい、節分と言えば世の中的には豆よりも恵方巻
なんかなーと思わなくもない。
なんで恵方巻の方が流行ったかというと
豆はそれ以上簡単にデコレーションできないが、
恵方巻は長くしたり太くしたり中の具材をリッチにしたりと
なんとでも見栄えをよくすることができるからだと思う。
これは絶対、instagram の流行と関係しているはず。
 
その恵方巻も原材料高騰、食品値上げの昨今、
例年通りの値段とするために材料を一つ二つ減らすという
苦肉の策のため、各社頭を悩ましているのだとニュースで聞いた。
鬼はどこか他の場所にいる、と思う。
 
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ある人が、店をオープンしたばかりで毎日忙しく、
全然眠れていないと聞く。
元々不眠症の気があってそれがさらにひどくなったと。
睡眠薬を飲んでようやく寝ている。
その影響で夢を全く見ないのだという。
 
そういう話を聞くたびに
人間には一生の間に見ることのできる夢の数が決まっていて、
不眠症の人はそれを使い切ったのだと思う。