ATM奇談

先日妻から聞いた話。
 
自分以外誰もいないATMコーナーで隣のATM機から
「恐れ入ります、画面の上に、物を、置かないでください」
って聞こえてきて。
しかも二度言ったよ。
誰に……、誰に言ってたんだろ、ATM……
 
どこのATM? って聞いたら、最寄り駅のだった。
え、そんな近くで。
静電気だろうか? しかし何もないところで発生するのだろうか?
 
やっぱ、いたんじゃないか。霊が……
霊が ATM を操作していた。
 
こういう話が時々ある。
不幸が重なって金回りが悪くなる。
ギャンブルや遊びに使ったのではなく、車をぶつけられたとか病気になったとか。
明日どうしよう、となったとき、夢の中に何年か前に亡くなった祖母が出てきて
台所の棚の奥に何かを隠した。
朝起きてその場所を見てみるとまとまったお金が置いてあった。
そこは普段からよく目にしていていて、それまではお金などなかったのだが……
どこから出てきたのだろう?
 
その祖母はどこから、リアルなお金を持ってきたのか。
それはやはり町中の ATM なんじゃないか。
妻はその場に居合わせた。
 
一方でこんなことも思う。
やっぱ、いたんじゃないか。
銀行の ATM に不具合を仕込んだ担当者が……
浮かばれない。