木陰というもの

ナショナルジオグラフィック日本版を何年か前から定期購読している。
今日何となく手に取って拾い読んだ。
『猛暑サバイバル』
2021年の7月号だった。
 
「人間の体には、熱を放出する仕組みが主に二つ備わっている」
ひとつには、血管が広がって皮膚に熱が送られて放出。
もう一つは、大量にかいた汗の気化熱で皮膚が冷やされる。
などなど。
 
印象的だったのが、アメリカの貧困地帯には樹木が植えられることがなく、
よって日陰というものがないという指摘。
ハッとさせられた。
 
アメリカに限らず、貧しい地域では元々あった樹木も伐採されて
粗雑な安いコンクリートに置き換えられていく。
大地そのものが貧しくなる。
 
アマゾンの熱帯雨林が後先考えずどんどん伐採されていってるという話。
金になるから。ただそれだけで。
全てが伐採しつくされた後に残るのは砂漠なんじゃないか。
考えただけで寒気がした。
 
猛暑の中、外を歩いていて街路樹の木陰に入った時のなんとありがたいことか。
それはかなり贅沢なことなんだな。
そのことを知らないまま、生まれて死んでいく幼い子供たちもいるのだろうということを思う。
 
人間はやはり、樹木の側でないと、樹木の生み出すものに循環される環境にいないと
生きていけないのだと思う。