館山へ その2

昨日は18時半から食事。
いつもなら1階の広いダイニングルームのテーブル席なのに
今回は1組だけだからかいろりのある座敷席へ。
ここには6・7回泊っていると思うが、初めて。
 
刺身はクロムツ、ヒゲダイ、シマアジ
煮魚はかさご。甘みがかなり効いてるのにさらっとしている。
イサキの揚げたものに甘い味噌をかけて、下にハヤトウリとワケギを敷いている。
畑で採れたレンコン、里芋、ニンジンと、きくらげ、ソイミートの煮物。
カボスを添えた鯖の唐揚げ。
水菜の和え物は柚子胡椒が効いている。
プラスして刺身の皿を追加、
サザエ、北寄貝、アオリイカなめろう、アジ、カイワリなどが並んでいた。
お酒は地元のものを。君津の「紅桜」といづみの「自然舞」と。
魚の刺身を食べるなら、僕はここで食べるのが一番おいしい。
野菜もそう。
 
食べ終えて20時近く。だいぶゆっくり味わった。
風呂に入りに行く。
妻は先ほど化粧水を忘れたと若女将に話していたが、
部屋に戻るとわざわざ旅行用のを持ってきてくれたと嬉しそうにしていた。
 
その後は本を読んで過ごす。
黒田龍之助『ロシア語だけの青春』を読み終える。
代々木のロシア語学校「ミール」のことは学部生の頃、修士課程の頃、
周りの方たちから通ってるか聞かれたり、あの人は通ってるという話があったように思う。
ロシア語そのものが目的ではなかったので、自分には恐れ多い場所だった。
語学の習得というのはここまで夢中にならないとものにならないのだな。
この本に登場する人を知っている、という人は周りに結構いたんじゃないか。
 
夜になっても風が強かった。
食べている間もゴーッと。
結局のところ東京湾フェリーの14:15の回以後は欠航になったという。
宿の若女将の話では金曜はもっと風が強かったと。
 
缶チューハイを飲みながら本を読んで、
1本飲み終えると風呂に入りに行くというのを繰り返す。
松村雄策編『R&BコンプリートCDガイド』というのを読み始める。
戦前から1950年代にかけて発展したアメリカのブルースは国内での継承者は
エルビス・プレスリーやリトル・リチャード、バディ・ホリーなどごく一部で、
イギリスの若者の方が熱心に聞いて音楽を始める。
それがビートルズであり、ストーンズとなる。
 
午前0時に寝た。
飲み過ぎたのか何度か目を覚ます。
みみたにかじられずに過ごす夜。
みみたは夕方のペットシッターさんの訪問で吐いていたのだという。
どうも寂しいときに吐くようだ。
 
7時に目が覚め、一番風呂へ。
五右衛門風呂と内風呂と
8時に食事。
鯖の干物、かぼちゃの煮物、小松菜の胡麻和え(丁寧に斜め切り)、きんぴらごぼうなど。
卵はいつも卵かけご飯にしていたのだが、今回は他にお客さんもいないしと目玉焼きにしてもらった。
貸切は Priceless だなあ。人生に今後こんなことがいくつあろうだろう。
部屋に戻って来ると朝日を浴びた笹が風に揺れて
壁に差し込む光がうつろう影絵のようになっていた。
最後にもう一度内風呂に入って温まった。