『芥川龍之介の桃太郎』朗読ライブイベント

昨日の続き。
17時前に自由が丘「創の実」の青熊書店に到着。
この日は16時、早めに閉店して会場の設営とリハーサル。
照明を落とした店内で、『芥川龍之介の桃太郎』の朗読と
そのバックでの琴と電子ピアノの演奏を通してやってみているところだった。
天井から吊り下げられた暗幕にスクリーンを貼って絵本の画像も映し出されている。
僕はこの日、レジ係り。
入場者に渡すプログラムを 2in1 でプリントアウトしたのを裁断するなど、その他あれこれも。
 
17時半開場。
店の前のわずかばかりのスペースに琴と電子ピアノとスピーカーが配置され、
向かい合うように丸椅子が並ぶ。
この日、25人分の席が満員御礼。
置けるだけ椅子を置いて、ギュウギュウとなった。
 
18時、影山聖子さんによる『芥川龍之介の桃太郎』の朗読が始まる。
中しまりんさんの琴、後藤魂さんのピアノが、この日のために作曲した音楽を演奏する。
皆、無心になって聞き入る。
その心地よい緊張感がレジの奥に立つ僕にまで伝わってくる。
 
終わって、絵を描かれた寺門孝之さんと
最初に出版されたときの編集者である福士さんとのトーク
いろいろ裏話を聴く。
桃太郎のビジュアルが決まらずに3年ぐらい経過したが、
男でも女でもあるように見える桃太郎の姿が突然下りてきてそこからは進んだとか、
鬼が島の鬼の長はモデルがいて実は忌野清志郎だった、などなど。
 
休憩時間はこの絵本を買いたいというお客さんでレジは大忙し。
寺門さんも快くサインしてくれた。
 
後半、中しまりんさん、後藤魂さんの2人によるユニット「Yamato Lounge」の演奏。
カバーの「蘇州夜曲」にオリジナルの「永遠なるもの」
アンコールでジャズのアレンジを施した「こきりこぶし」を。
ふたりのCDも売る。その売り上げは全額能登半島地震に寄付するとのことで
僕も買ったし、お客さんも買ってくれた。
 
20時終演。
終わった後も絵本を買いたいというお客さんの対応が続く。
余韻に浸っている方も多かった。
この場を成り立たせた縁の余韻というものがあったと思う。
途中の寺門さんのトーク、中しまさんのトークでは
いろいろな縁でこのイベントが偶然的に成り立ったことが語られた。
能登半島地震があって、北陸出身の中しまさんと影山さんが10年ぶりに再会したこと。
それがたまたま自由が丘だったので、中島さんが友人である妻のいる「青熊書店」に立ち寄ってくれたこと。
この1月に自由が丘「創の実」で3つの店舗がオープンして、隣の店の旦那さんが寺門さんだったこと。
その寺門さんの『芥川龍之介の桃太郎』が20年ぶりに再版されたばかりで、青熊書店の店頭にも置いたこと。
それを影山さんが手に取って朗読してみたいと思ったこと。
そもそも、編集者の福士さんが芥川龍之介の「桃太郎」を絵本にしたいと考え、寺門さんにアプローチしたこと。
 
片付けが終わったのは21時半。
お手伝いの学生さんも一緒になって近くの老舗「カスタネッツ」にて簡単な打ち上げ。
さらに裏話を聞いて、閉店まで。
終電を逃し、方向が同じということで後藤さんが車でわざわざ光が丘まで送ってくれることになった。
琴、電子ピアノ、スピーカーといった機材は店に置いて鍵をかけ、あとで取りに戻るつもりでいた。
店の入ったビルに着いたところシャッターが下りていて店に入れない。
シャッターが下りるということを3店舗とも知らずにいた。
明日の朝また受け取りに来てもらうことにして、後藤さんの運転でまずは中しまさんを送り、
次に環八をはるばる練馬の先まで。
ありがたいことだった。せっかくジャズのミュージシャンと一緒なのにジャズの話はせず、
荻窪のどこそこがうまいとかそういう話。
家に着いたのは午前1時。
最低限片づけをして、寝たのは1時半。
 
ここまで完成度の高い演目ができたのに一度で終わるのはもったいない、
また別の広い場所で再演したいという話になった。